110Q291|第110回 薬剤師国家試験 過去問
65 歳男性。2 型糖尿病の既往があり処方1 の薬剤を服用している。約15 年前にC 型肝炎ウイルス(HCV)感染症と診断され、インターフェロン治療を受 けたがウイルスは陰性化しなかった。その後、C 型慢性肝炎に対して処方2 の薬剤 を内服し経過観察中であったが、AST 及びALT の軽度上昇が認められたため、 直接作用型抗ウイルス薬(処方3 )が追加された。 (処方1 ) カナグリフロジン錠100 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) テネリグリプチン錠20 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 朝食後 28 日分 (処方2 ) ウルソデオキシコール酸錠100 mg 1 回2 錠(1 日6 錠) 1 日3 回 朝昼夕食後 28 日分 (処方3 ) レジパスビル・ソホスブビル配合錠 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 夕食後 28 日分 処方3 追加時とその2 ケ月後受診時の検査値は下表のとおりであった。 (身体所見並びに検査結果) 項目 処方3 追加時 2 ケ月後受診時 身長(cm) 165 165 体重(kg) 80 82 BMI 29.4 30.1 HbA1c(%) 8.2 8.3 eGFR(mL/min/1.73 m 2) 40 29 血圧(mmHg) 130/80 132/80 AST(IU/L) 65 70 ALT(IU/L) 70 82 尿タンパク ± + 検査結果を見た医師から、院内における採用薬の確認と治療薬の変更について、 薬剤部に問合せがあった。 検査値から判断し、処方3 の薬剤を変更することにした。変更後の治療薬とし て、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
eGFRが40から29 mL/min/1.73 m2へ低下しています。高度の腎機能低下では、腎排泄の影響が問題となるソホスブビルを含まないC型肝炎治療薬を選びます。
解説
グレカプレビルはHCVのNS3/4Aプロテアーゼ、ピブレンタスビルはNS5Aを阻害する直接作用型抗ウイルス薬です。この配合剤はソホスブビルを含まず、透析を含む高度腎機能低下例でも選択肢となります。本例ではeGFR 29に加え、肝酵素も上昇しているため、肝障害の程度や併用薬を確認して変更します。ラミブジン、エンテカビル、テノホビルアラフェナミドは主にB型肝炎ウイルスに用いる薬で、HCV治療の代替にはなりません。
選択肢の確認
1.ラミブジン:HBVの逆転写過程を阻害する核酸アナログで、C型慢性肝炎の治療薬ではありません。
2.グレカプレビル・ピブレンタスビル配合錠:正答。HCVに直接作用し、高度腎機能低下例でも使用を検討できます。
3.エンテカビル:HBV DNAポリメラーゼを阻害するB型肝炎治療薬です。
4.テノホビルアラフェナミド:HBV治療に用いる核酸アナログで、HCVには適応しません。
5.ソホスブビル・ベルパタスビル配合錠+リバビリン:ソホスブビルを含み、リバビリンも腎機能低下で蓄積するため、本例の変更先として不適切です。
覚えるポイント
C型肝炎薬の変更では、ウイルス型だけでなく腎機能と肝予備能を確認します。G/P配合剤はソホスブビルを含まない点が決め手です。