110Q303第110回 薬剤師国家試験 過去問

75 歳男性。慢性胃炎の既往がある。2 年前に脳梗塞を発症し、それ以来、 処方1 及び処方2 の薬剤を継続的に服用している。 (処方1 ) ワルファリンカリウム錠1 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 朝食後 28 日分 (処方2 ) レバミピド錠100 mg 1 回1 錠(1 日3 錠) 1 日3 回 朝昼夕食後 28 日分 咳と嗄声が続き、血痰を認めたため近医を受診し、胸部X 線で右肺腫瘤を指摘 された。総合病院呼吸器内科を紹介受診し、入院して精査した結果、Stage ⅣB の 非小細胞肺がん(腺がん)と診断された。遺伝子検査も実施され、EGFR 遺伝子 変異陽性と判明した。パフォーマンスステータス(PS)1 。患者に喫煙歴はな く、機会飲酒のみ。外来通院治療を強く希望したため、ゲフィチニブ(処方3 )で の治療を開始することになり、処方1 、処方2 とも総合病院で一括して処方するこ とになった。 (処方3 ) ゲフィチニブ錠250 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 朝食後 14 日分 状態が安定したら退院し、処方1 ~3 の薬剤での治療を継続する予定である。 処方3 の開始にあたり、病棟薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選 べ。

2つ選択
解答・解説を見る

正解: 3・4

正答

3・4

この問題のポイント

ゲフィチニブ開始時は、ワルファリンとの相互作用と間質性肺疾患の初期症状を重点確認します。胃内pHやCYP3A4に関する相互作用の向きにも注意します。

解説

ゲフィチニブとワルファリンの併用ではプロトロンビン時間・INRが上昇し、出血リスクが高まることがあるため、凝固能を頻回に確認して用量調節を検討します。また、ゲフィチニブによる間質性肺疾患は重篤になり得るので、息切れ、呼吸困難、咳、発熱が現れたら直ちに受診するよう説明します。プロトンポンプ阻害薬で胃内pHが上昇するとゲフィチニブの溶解・吸収が低下し得るため、レバミピドからオメプラゾールへの変更はむしろ不利です。グレープフルーツはCYP3A4を阻害してゲフィチニブ濃度を上げる方向であり、効果を減弱させるという理由は誤りです。

選択肢の確認

1.ゲフィチニブによる手足症候群を予防するため、レボフロキサシンの追加を医 師に提案する。:手足症候群の予防に抗菌薬を追加する根拠はありません。
2.レバミピドをオメプラゾールに変更するよう医師に処方提案する。:胃内pH上昇でゲフィチニブ吸収を下げ得るため不適切です。
3.プロトロンビン時間が延長する可能性があるので、ワルファリンカリウムの用 量調節を医師に提案する。:正答。PT-INRを監視して調節します。
4.退院後の服薬時に息切れ、呼吸困難、発熱などの症状が現れたらすぐに受診す るよう、患者に説明する。:正答。間質性肺疾患の早期発見に必要です。
5.ゲフィチニブの効果を減弱させる可能性があるため、グレープフルーツジュー スの摂取を避けるよう患者に説明する。:阻害により血中濃度を上げる方向なので、理由が逆です。

覚えるポイント

ゲフィチニブでは間質性肺疾患、ワルファリン併用時のPT-INR、胃内pH上昇薬との併用を確認します。

110Q302110Q304
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)