110Q325|第110回 薬剤師国家試験 過去問
ある薬局で、服薬指導の内容と服薬アドヒアランスとの関係を明らかにす るために、この薬局で過去5 年間に降圧薬を調剤された成人患者を対象として、薬 歴を用いて後ろ向きに調査を行い、学会発表することを計画している。研究に用い るデータは、患者名はわからないように集計、解析する予定である。 調査対象となる患者全員に個別に説明し同意を取得するのは困難なので、研究概 要の薬局内へのポスター掲示と薬局ホームページへの掲載によりいつでも質問を受 け付けることができるようにすることで、倫理審査委員会の承認を受ける予定であ る。なお、この研究にかかる費用はこの薬局で負担することとした。 当該研究に関して倫理審査委員会に提出する申請書類を作成する際に、遵守する ことが求められるのはどれか。1つ選べ。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
既存の薬歴を用いる後ろ向き観察研究は、人を対象とする医学系研究です。治験、非臨床安全性試験、医薬品規格、特定臨床研究の規則と区別します。
解説
患者の診療・調剤情報を利用して服薬指導とアドヒアランスの関係を調べるため、研究計画、倫理審査、個人情報保護、インフォームド・コンセント等の扱いは「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に従います。承認申請を目的に薬の有効性・安全性を評価する治験ではなく、動物等を用いる非臨床試験でもありません。日本薬局方は医薬品の性状・品質等の公定規格です。また、薬歴を遡って観察する本研究は、医薬品を介入として割り付ける特定臨床研究ではありません。
選択肢の確認
1.医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令:治験等の実施基準であり、本例の後ろ向き薬歴研究の根拠ではありません。
2.人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針:正答。人由来の情報を用いる観察研究として遵守します。
3.医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準に関する省令:動物試験など非臨床安全性試験の信頼性基準です。
4.日本薬局方:医薬品の品質規格・試験法を定めるもので、研究倫理の指針ではありません。
5.臨床研究法 一般問題(薬学実践問題) 【実務】:臨床研究法の対象となる介入研究ではなく、本例には直接適用しません。
覚えるポイント
研究の目的だけでなく、介入の有無、既存情報の利用、承認申請との関係を見て適用ルールを選びます。