111Q227|第111回 薬剤師国家試験 過去問
院内の感染症対策委員会において、インフルエンザ流行への対応策を検討 した結果、高齢者の死亡リスクがあるため、面会制限を実施するとともに、薬剤師 が院内スタッフへ向けて感染予防の講義を行うことになった。 委員会を見学していた実務実習生から、「高齢者の死亡リスクはどのようにして 求めるのですか。」と質問があったため、指導薬剤師が高齢者の死亡リスクを求め る模擬データを用いた課題を出した。 (模擬データ) インフルエンザウイルス感染者数と 28 日以内の死亡者数 年齢群(歳) 感染者数(人) 死亡者数(人) 55~59 600 1 60~64 400 1 65~69 400 2 70~74 400 2 75~79 400 4 80~84 400 5 85~89 300 10 90~94 300 15 院内スタッフに向けて行う講義内容として適切なのはどれか。2つ選べ。
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正解: 2・3
正答
2・3
この問題のポイント
インフルエンザについて、主な感染経路、基本的感染対策、ワクチン接種前確認、定期接種の法的位置付け、抗ウイルス薬の適応を分けます。
解説
インフルエンザは咳やくしゃみによる飛沫感染と、汚染された手指・物品を介する接触感染が中心です。手指衛生はウイルスの伝播を抑える基本策になります。インフルエンザHAワクチンは発育鶏卵を用いて製造されるため、接種前には鶏卵・鶏肉へのアレルギー歴を確認し、安全な接種判断につなげます。予防接種法上、65歳以上などを対象とする季節性インフルエンザの定期接種はB類疾病で、個人の発病・重症化予防を主目的とし、接種を受ける努力義務は課されません。ペラミビルは静注の治療薬であり、感染予防目的の投与を適応とする薬ではありません。
選択肢の確認
1.このウイルスの主な感染経路は空気感染である。:誤り。主経路は飛沫感染と接触感染です。
2.ウイルスの伝播・拡散を防止するために、手指衛生を徹底する。:正答。接触を介した拡散防止に有効な基本策です。
3.インフルエンザ HA ワクチンの接種前に、鶏卵や鶏肉アレルギーの有無を確認 する。:正答。接種前の安全確認として適切です。
4.65 歳以上の高齢者に対するインフルエンザ HA ワクチンの定期予防接種は、 努力義務である。:誤り。B類疾病の定期接種には努力義務がありません。
5.感染予防の目的で、ペラミビルを投与することができる。:誤り。ペラミビルの適応はインフルエンザの治療です。
覚えるポイント
飛沫・接触対策と手指衛生を基本にし、65歳以上の定期接種はB類、ペラミビルは治療薬と整理します。