109Q315第109回 薬剤師国家試験 過去問

大学病院で循環器内科を担当している薬剤師が、循環器内科病棟の医師か ら「糖尿病の治療薬である医薬品A(カプセル剤)が心不全にも効果があるという 報告を聞いたので、当院でも効果を検証することを目的として、無作為化二重盲検 比較試験を実施したいと考えている。認定臨床研究審査委員会に申請したいので、 研究計画書について薬剤師の立場から追加や修正した方が良いところがあるか チェックしてほしい。」と依頼された。研究の概要は以下のとおりである。なお、 医薬品Aは日本では心不全の適応はない。 <比較試験の計画(一部抜粋)> 対象患者: 成人の心不全患者(心機能はNYHA (注1)分類Ⅱ度かつ左室駆出率 が低下(40%未満)した心不全(HFrEF (注2))) 除外基準:重症の糖尿病患者又は重症の腎機能障害患者 評価項目: 心不全で入院するまでの期間 方 法: 心不全の標準治療に医薬品Aを追加服用する群(介入群)と心不全 の標準治療のみを行う群(非介入群)に1:1 の比で無作為に分 け、36 ケ月それぞれの治療を実施する。 両群とも被験薬は病院内で調剤する。介入群には医薬品Aを、非介 入群にはプラセボ薬を投与する。 (注1 )NYHA:New York Heart Association(ニューヨーク心臓協会) (注2 )HFrEF:heart failure with reduced ejection fraction この研究は、臨床研究法の臨床研究のうち特定臨床研究に該当する。該当する理 由として正しいのはどれか。1つ選べ。

解答・解説を見る

正解: 3

正答

3

この問題のポイント

第109回実施時点では、承認外の効能で有効性を検証する本研究は、適応外医薬品を用いる特定臨床研究に該当しました。

解説

本研究は、日本で糖尿病には承認されている医薬品Aを、承認されていない心不全の治療目的で投与し、その有効性を無作為化比較試験で検証します。試験実施時の臨床研究法では、承認された効能・用法等と異なる適応外使用を含む医薬品等臨床研究であることが特定臨床研究となる理由で、認定臨床研究審査委員会の審査等が必要でした。大学病院、二重盲検、医師主導、侵襲という属性だけでは決まりません。なお、2025年5月31日施行の改正後は、承認済み用法等と比べて生命・健康へのリスクが同程度以下の適応外使用は特定臨床研究から除外され得るため、現行制度での該当性は薬剤・使用法ごとのリスク評価が必要です。製薬企業等から資金提供を受ける研究は別の該当類型です。

選択肢の確認

1.大学病院で行う研究であるため。:施設種別だけでは決まりません。
2.無作為化二重盲検比較試験であるため。:試験デザインだけでは決まりません。
3.医薬品の適応外使用の有効性を検証する研究であるため。:正答。第109回実施時点の制度では、この適応外使用が該当理由です。
4.医師主導で行う研究であるため。:研究者の職種だけでは決まりません。
5.侵襲を含む研究であるため。:侵襲の有無だけが理由ではありません。

覚えるポイント

試験時は適応外使用が該当理由です。現行法では、承認用法等と同程度以下のリスクかも確認します。

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