111Q321|第111回 薬剤師国家試験 過去問
82 歳女性。東京都在住。息子夫婦と同居している。末期の胃がんで自宅で の看取りを希望し、訪問診療と訪問看護を受けている。経口薬の服用が難しくなっ てきたため麻薬貼付剤を使用していたが、レスキューの使用回数が増え貼付剤での 疼痛コントロールが困難になった。そのため、以下の持続皮下注射処方に変更とな り、息子が処方箋を近隣の東京都内の薬局に持参した。電動式の PCA(自己調節 鎮痛法)用のシリンジポンプを使用して持続皮下注射を行うこととなった。この患 者がシリンジポンプを使用するのは初めてである。 (処方) モルヒネ塩酸塩注 100 mg シリンジ(100 mg/10 mL/本) 1 本 持続皮下注 0.25 mL/h より開始 PCA 設定:0.25 mL/回 ロックアウトタイム 15 分 息子に対して行うこの薬剤やポンプの使用に関する説明として適切なのはどれ か。2つ選べ。
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正解: 2・3
正答
2・3
この問題のポイント
PCAポンプは設定流量を患者・家族が勝手に変えられず、ロックアウト時間内の重複投与を機械的に防ぎます。
解説
電動PCAポンプは医師の処方に基づき医療従事者が持続流量、1回追加量、ロックアウト時間等を設定し、患者や家族が流量を自由に変更できないようロックされています。PCAボタンを押すと設定された追加量が投与されますが、その後15分のロックアウト中に再び押しても薬液は投与されず、過量投与を防ぎます。薬液シリンジの交換・セットは訪問医療・看護・薬局等の体制に従い、初回患者の家族へ自己判断で任せません。麻薬小売業者の薬剤師は法令と手順に従って在宅患者宅へ調剤済麻薬を届けられます。未使用のモルヒネ注射液を一律に冷蔵保管するとせず、製品表示どおり室温・遮光等で管理します。
選択肢の確認
1.薬剤がなくなったら家族が薬剤をセットしてください。:医療従事者の管理体制に従います。
2.患者や家族が流速を変更できないようになっています。:正答。設定はロックされます。
3.ロックアウトタイム中は PCA ボタンを押しても薬剤が出ない構造になってい ます。:正答。追加投与の重複を防ぎます。
4.この薬剤は薬剤師がご自宅に持っていくことができないので、毎回薬局に取り に来てください。:在宅へ届けることができます。
5.今後、この薬剤が2 本以上処方された場合、未使用の薬剤は冷蔵庫で保管する 必要があります。:一律冷蔵ではなく表示条件で保管します。
覚えるポイント
PCAは持続量・ボーラス量・ロックアウトを医療者が設定します。患者本人にはPCAボタンの使い方を、家族には過鎮静・呼吸抑制時の連絡方法を説明します。