60AM044|第60回 理学療法士国家試験 過去問
登はん性起立を示すのはどれか。
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正解: 4
正答
4.Duchenne 型筋ジストロフィー
この問題のポイント
登はん性起立(Gowers徴候)は、下肢の近位筋力低下により、床から立ち上がる際に手で膝や太腿を押さえ、上半身をよじ登るように立つ現象です。この動作は、下肢の筋力が著しく低下した小児で特に見られる代表的な臨床所見です。特に、Duchenne型筋ジストロフィーでは、幼少期から症状が現れ、進行性の筋萎縮により近位筋(特に大腿筋、体幹筋)に影響が及ぶため、この動作が初期の重要な診断ヒントとなります。
解説
Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)は、X染色体劣性遺伝で、主に男性に見られる遺伝性筋疾患です。初期には運動機能の低下が現れ、特に下肢の近位筋(大腿四頭筋、臀筋など)が優先的に萎縮します。このため、立ち上がりに必要な下肢の支持力が不足し、代わりに上肢を用いて膝や太腿を押さえることで「よじ登り」を模倣する動作(Gowers徴候)が出現します。この現象は、DMDの初期段階で頻出する特徴的所見であり、臨床診断において重要な評価項目です。
選択肢の確認
1.筋強直性ジストロフィー:遠位筋(特に手足)の強直性障害が主で、近位筋の萎縮は少ない。登はん性起立とは関連しない。
2.肢帯型筋ジストロフィー:近位筋の障害はあるが、Duchenne型ほど明確で代表的な初期症状とは言えない。
3.先天型筋ジストロフィー:進行性だが、Gowers徴候の代表的所見とは言えない。
4.Duchenne 型筋ジストロフィー:正解。近位筋の萎縮により登はん性起立が現れる。
5.顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー:上肢(顔面・肩甲・上腕)の筋力低下が主で、下肢に影響が少ない。
覚えるポイント
「Duchenne型筋ジストロフィー=下肢の近位筋がまず萎縮=床から立ち上がるときに手で膝を押さえてよじ登る(Gowers徴候)」と記憶すると、臨床現場でもすぐに判断できます。