61AM041|第61回 理学療法士国家試験 過去問
大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン2020 年改訂版(日本循環器学会)に基づ く、大動脈解離のリハビリテーション治療の開始基準において、患者のバイタルサ インと管理状態の組合せで基準範囲内にあるのはどれか。
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正解: 1
正答
1.RASS -1
この問題のポイント
大動脈解離のリハビリテーション開始には、患者の意識・循環・呼吸の安定が必須です。特に、意識の状態(RASSスコア)が軽度の鎮静であれば、リハビリ開始が検討できます。他の選択肢はいずれも生理的不安定を示しており、リハビリ開始の基準を逸脱します。
解説
大動脈解離のリハビリ開始基準では、過度の鎮静や興奮がなく、循環・呼吸が安定していることが求められます。日本循環器学会のガイドラインによれば、意識の評価にはRASS(Richmond Agitation-Sedation Scale)が用いられ、スコア0(清明)から-1(軽度鎮静、声かけで覚醒、10秒以上開眼)は開始可能な範囲とされています。
一方、他の選択肢はいずれも「不安定な状態」として中止・延期の基準に該当します。
- 体温38.8℃は発熱(38℃以上)で全身状態の不安定を示す。
- 呼吸数38回/分は頻呼吸(通常30回/分以上)で呼吸不全のサイン。
- 酸素飽和度85%は90%未満の低酸素血症で、酸素供給の必要性が強く、リハビリ開始不可。
- 吸入酸素濃度0.7(高濃度)は呼吸が不安定な状態を示し、開始基準を逸脱。
したがって、RASS -1は軽度の鎮静で、患者が安全にリハビリを受けることができる状態と判断されます。
選択肢の確認
1.RASS -1:軽度鎮静で、声かけで覚醒可能。リハビリ開始基準内。
2.体温 38.8 ℃:発熱で循環・呼吸の安定が保たれない。中止基準。
3.呼吸数 38 回/分:頻呼吸で呼吸不全の可能性あり。中止。
4.酸素飽和度〈SaO2〉 85 %:90%未満で低酸素血症。中止。
5.吸入酸素濃度〈FiO2〉 0.7:高濃度酸素は呼吸不安定を示す。中止。
覚えるポイント
「循環・呼吸・意識の安定」がリハビリ開始の3大原則。
→ RASS -1は軽度鎮静で開始可能。
→ 38℃以上、30回/分以上、90%未満、高FiO₂は中止・延期。
→ 意識の評価は「声かけで覚醒できるか」で判断。