76AM16|第76回 診療放射線技師国家試験 過去問
MRI の脂肪抑制法で正しいのはどれか。
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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
この問題では、MRI の代表的な脂肪抑制法である CHESS 法、STIR 法、Dixon 法の違いが問われています。
特に重要なのは、脂肪を抑制する原理です。
- CHESS 法:脂肪と水の 共鳴周波数差を利用
- STIR 法:脂肪の T1 緩和時間を利用
- Dixon 法:水と脂肪の 位相差を利用
解説
CHESS 法は、脂肪の共鳴周波数に合わせた周波数選択的 RF パルスを加え、脂肪信号を飽和させて抑制する方法です。水と脂肪の周波数差を利用するため、静磁場の不均一があると脂肪抑制が不均一になりやすい欠点があります。
STIR 法は、反転回復法を利用した脂肪抑制法です。最初に 180 度反転パルスを加え、脂肪の縦磁化が 0 になるタイミングで撮像します。周波数選択的ではなく、T1 値の違いを利用するため、磁場不均一の影響を受けにくい特徴があります。
Dixon 法は、水と脂肪の位相が同じになる in-phase と、逆位相になる opposed-phase の情報を利用して、水画像と脂肪画像を分離する方法です。
したがって、正しいのは STIR 法は CHESS 法より磁場の不均一性の影響を受けにくいです。
ひっかけポイント
「脂肪抑制」といっても原理は同じではありません。
CHESS は周波数差、STIR は T1 値、Dixon は位相差を利用します。
選択肢の確認
1.誤り。
CHESS 法は脂肪と水の共鳴周波数差を利用する方法です。T1 値を主に利用する脂肪抑制法ではありません。T1 値を利用する代表は STIR 法です。
2.誤り。
STIR 法は周波数選択的に脂肪信号を抑制する方法ではありません。反転回復法により、脂肪の縦磁化が 0 になるタイミングを利用して脂肪を抑制します。
3.誤り。
CHESS 法では、脂肪の共鳴周波数に合わせた周波数選択的飽和パルスを用います。最初に 180 度 RF パルスを印加するのは STIR 法です。
4.誤り。
Dixon 法は、水と脂肪の in-phase と opposed-phase の位相差を利用して水脂肪分離を行う方法です。単に in-phase における脂肪抑制効果を利用するわけではありません。
5.正しい。
STIR 法は周波数選択的な脂肪抑制ではなく、T1 値の違いを利用します。そのため、CHESS 法より静磁場不均一の影響を受けにくい特徴があります。
覚えるポイント
- CHESS 法は周波数選択的脂肪抑制です。
- STIR 法は反転回復法で、脂肪の T1 値を利用します。
- Dixon 法は水と脂肪の位相差を利用します。
- 磁場不均一に強いのは、一般に STIR 法です。
- STIR 法は造影後 T1 強調像で使うと、造影効果のある組織も抑制されることがあるため注意します。