76AM17|第76回 診療放射線技師国家試験 過去問
MRI の化学シフトアーチファクトが軽減されるのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、MRI の 化学シフトアーチファクトを軽減する方法が問われています。
化学シフトアーチファクトは、主に 水と脂肪の共鳴周波数の差によって起こります。
水と脂肪の信号が同時に存在するほど目立ちやすいため、脂肪信号を抑制すると軽減できます。
解説
MRI では、水と脂肪のプロトンは同じ静磁場中にあっても、わずかに異なる周波数で共鳴します。
この周波数差は約 3.5 ppm です。
この差によって、水と脂肪の境界で信号の位置ずれや黒い縁取りが生じることがあります。これが 化学シフトアーチファクトです。
代表的には次の 2 種類があります。
第1種化学シフトアーチファクト
周波数エンコード方向に、水と脂肪の位置ずれとして現れます。第2種化学シフトアーチファクト
opposed-phase 画像で、水と脂肪が同一ボクセル内にある部位に信号低下として現れます。
脂肪信号を抑制すると、水と脂肪の境界で生じる周波数差の影響が目立ちにくくなります。
したがって、化学シフトアーチファクトの軽減には 脂肪抑制が有効です。
ひっかけポイント
化学シフトアーチファクトは、静磁場強度が高いほど水と脂肪の周波数差が大きくなり、目立ちやすくなります。
高磁場装置にすれば軽減するわけではありません。
選択肢の確認
1.誤り。
加算回数を増やすと SN 比は改善しますが、水と脂肪の共鳴周波数差そのものは変わりません。化学シフトアーチファクトを直接軽減する方法ではありません。
2.正しい。
脂肪信号を抑制すると、水と脂肪の境界で生じる位置ずれや信号低下が目立ちにくくなります。化学シフトアーチファクトの軽減に有効です。
3.誤り。
受信バンド幅を狭くすると、1 ピクセルあたりの周波数幅が小さくなります。そのため、水と脂肪の周波数差による位置ずれが大きく見えやすくなり、化学シフトアーチファクトは増強します。軽減には、一般に受信バンド幅を広くします。
4.誤り。
周波数エンコード数を増やすことは、化学シフトアーチファクトの基本的な軽減策ではありません。化学シフトは周波数エンコード方向に現れやすく、軽減には脂肪抑制や受信バンド幅の拡大が重要です。
5.誤り。
静磁場強度が高いほど、水と脂肪の共鳴周波数差は大きくなります。そのため、化学シフトアーチファクトは目立ちやすくなります。
覚えるポイント
- 化学シフトアーチファクトは 水と脂肪の共鳴周波数差で起こります。
- 化学シフトは周波数エンコード方向に現れやすいです。
- 軽減策は 脂肪抑制、受信バンド幅を広げる、低磁場を使うなどです。
- 受信バンド幅を狭くすると、化学シフトは目立ちやすくなります。
- 高磁場装置では化学シフトが増えやすい点に注意します。