76AM66第76回 診療放射線技師国家試験 過去問

理工学・放射線科学放射線の細胞に対する作用組織の放射線感受性

細胞と組織の放射線感受性で正しいのはどれか。

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正解: 2

正答

2

この問題のポイント

この問題では、細胞・組織の放射線感受性と、放射線治療で問題となる 晩期有害事象の性質が問われています。

放射線の組織障害には、一定線量以上で発生する 確定的影響があります。

晩期有害事象の多くは確定的影響であり、発生には しきい値があります。

解説

放射線による正常組織障害は、大きく急性反応と晩期反応に分けられます。

急性反応は、粘膜、皮膚、骨髄など、細胞増殖が盛んな組織で早期に起こりやすい反応です。

晩期有害事象は、照射後数か月から数年後に出現する障害で、線維化、狭窄、潰瘍、壊死、脊髄障害、肺線維症などが含まれます。

これらの晩期有害事象は、多くが しきい値をもつ確定的影響として扱われます。つまり、ある線量を超えると発生頻度や重症度が増加します。

また、組織の放射線感受性は、一般に細胞の分化度が低く、分裂頻度が高いほど高くなります。これは Bergonie-Tribondeau〈ベルゴニー・トリボンドー〉の法則として整理されます。

ひっかけポイント
「晩期有害事象」と「発がん」は分けて考えます。
晩期有害事象の多くはしきい値をもつ確定的影響ですが、放射線誘発がんは確率的影響として扱います。

選択肢の確認

1.誤り。
筋肉は高度に分化した組織で、一般に放射線感受性は低いです。肝臓も比較的低感受性ですが、筋肉が肝臓より高感受性とはいえません。

2.正しい。
放射線の晩期有害事象の多くは確定的影響であり、発生にはしきい値が存在します。線量が高くなるほど発生頻度や重症度が増加します。

3.誤り。
一般に、細胞の分化度が低いほど放射線感受性は高くなります。分化度が高い細胞は、分裂頻度が低く、放射線感受性は低い傾向があります。

4.誤り。
治療可能比は、腫瘍制御に必要な線量と正常組織障害を生じる線量の関係を表す概念です。腫瘍致死線量を α/β 値で割ったものではありません。

5.誤り。
肝臓は並列臓器としての性質が強く、晩期有害事象の発生予測では最大線量だけでなく、平均線量や被ばく体積が重要です。最大被ばく線量が最も強力な因子とはいえません。

覚えるポイント

  • 晩期有害事象の多くは しきい値をもつ確定的影響です。
  • 放射線誘発がんは 確率的影響として扱います。
  • 放射線感受性は、分化度が低く、分裂頻度が高い細胞ほど高いです。
  • 筋肉や神経など高分化組織は比較的低感受性です。
  • 肝臓の障害評価では、最大線量だけでなく平均線量や被ばく体積も重要です。

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