76AM71|第76回 診療放射線技師国家試験 過去問

理工学・放射線科学

運動エネルギーが 1 GeV の 12C 原子核を 1 nA のビーム強度で 30 秒間流した。 12C 原子核によって運ばれた総エネルギー[J]に最も近いのはどれか。

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正解: 3

正答

3

この問題のポイント

この問題では、ビーム電流から流れた 12C 原子核の個数を求め、1 個あたりの運動エネルギーを掛けて総エネルギーを計算します。

重要なのは、12C 原子核の電荷は +6eであることです。

電流 1 nA を、1 個の電荷 e で割るのではなく、6eで割って原子核の個数を求めます。

解説

12C 原子核は、陽子を 6 個もつ原子核です。

したがって、12C 原子核 1 個の電荷は、

6e

です。

ここで、電気素量を

e = 1.6 × 10^-19 C

とします。

1.30 秒間に流れた総電荷量を求める

ビーム電流は 1 nA です。

1 nA = 1 × 10^-9 A

電流は 1 秒あたりに流れる電荷量なので、30 秒間の総電荷量 Q は、

Q = It

Q = 1 × 10^-9 × 30

Q = 3.0 × 10^-8 C

2.12C 原子核の個数を求める

12C 原子核 1 個の電荷は 6e なので、

6e = 6 × 1.6 × 10^-19

6e = 9.6 × 10^-19 C

したがって、流れた 12C 原子核の個数 N は、

N = Q ÷ 6e

N = 3.0 × 10^-8 ÷ 9.6 × 10^-19

N ≒ 3.1 × 10^10 個

3.1 個あたりの運動エネルギーを J に変換する

1 個の 12C 原子核の運動エネルギーは 1 GeV です。

1 GeV = 10^9 eV

1 eV = 1.6 × 10^-19 J

したがって、

1 GeV = 10^9 × 1.6 × 10^-19

1 GeV = 1.6 × 10^-10 J

4.総エネルギーを求める

総エネルギー E は、

E = N × 1 個あたりの運動エネルギー

E = 3.1 × 10^10 × 1.6 × 10^-10

E ≒ 5.0 J

したがって、最も近いのは 5 Jです。

ひっかけポイント
12C 原子核は電荷が +6e です。
電流から粒子数を求めるときに e で割ってしまうと、粒子数を 6 倍に見積もり、総エネルギーも 6 倍の約 30 J になってしまいます。

選択肢の確認

1.誤り。
1 J は、12C 原子核の電荷を考慮して計算した総エネルギーより小さすぎます。

2.誤り。
2 J も計算結果の約 5 J より小さい値です。

3.正しい。
12C 原子核 1 個の電荷を 6e として粒子数を求めると、総エネルギーは約 5 J になります。

4.誤り。
10 J は、粒子数またはエネルギー換算を過大に見積もった値です。

5.誤り。
30 J は、12C 原子核の電荷を e として計算してしまった場合に近い値です。12C 原子核は +6e なので、粒子数を求めるときは 6e で割る必要があります。

覚えるポイント

  • 12C 原子核の電荷は +6eです。
  • 電流から粒子数を求めるときは、N = It ÷ q を使います。
  • 1 eV = 1.6 × 10^-19 Jです。
  • 1 GeV = 1.6 × 10^-10 Jです。
  • この問題では、総エネルギーは約 5 Jになります。

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