76AM82|第76回 診療放射線技師国家試験 過去問
電子線照射で電離箱を水槽内のビーム軸上を移動させて得られる測定値のみから 算出されるのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正答
4
この問題のポイント
この問題では、電子線照射で電離箱を水槽内の ビーム軸上に沿って移動させたとき、測定値のみから直接算出できる量が問われています。
電離箱で直接得られるのは、各深さにおける 電離量です。
したがって、測定値のみから算出されるのは 深部電離量百分率です。
解説
電子線の深部特性を調べるとき、水ファントム中で電離箱を深さ方向、つまりビーム軸上に移動させて測定します。
このとき得られるのは、各深さにおける電離箱の読み値です。
各深さの電離量を、最大電離量に対する百分率で表したものが **深部電離量百分率〈PDI〉**です。
一方、**深部線量百分率〈PDD〉**は、吸収線量の深さ方向分布を百分率で表したものです。
電子線では、電離量から吸収線量へ変換する際に、深さごとの stopping-power ratio〈阻止能比〉や擾乱補正などを考慮する必要があります。
そのため、電離箱の測定値のみから直接得られるのは深部線量百分率ではなく、深部電離量百分率です。
ひっかけポイント
電離箱で測った値は「線量」そのものではなく、まずは 電離量です。
電離量を補正して線量に変換して初めて深部線量百分率になります。
選択肢の確認
1.誤り。
出力係数は、照射野やアプリケータ条件ごとの出力の違いを評価する量です。ビーム軸上を移動して得られる測定値のみから算出するものではありません。
2.誤り。
軸外線量比は、ビーム中心軸から横方向に外れた位置の線量分布を評価する量です。ビーム軸上の深さ方向測定だけでは算出できません。
3.誤り。
深部線量百分率は、各深さの吸収線量を最大線量に対する百分率で表したものです。電子線では、電離量を線量へ変換する補正が必要であり、測定値のみから直接得られるものではありません。
4.正しい。
深部電離量百分率は、ビーム軸上で測定した各深さの電離量を最大電離量に対する百分率で表したものです。電離箱の測定値のみから算出できます。
5.誤り。
コリメータ散乱係数は、主に照射ヘッドやコリメータからの散乱成分に関する係数です。水槽内でビーム軸上を移動して得られる深さ方向測定のみから算出するものではありません。
覚えるポイント
- 電離箱で直接測るのは 電離量です。
- ビーム軸上の深さ方向測定から得られるのは 深部電離量百分率です。
- 深部線量百分率を求めるには、電離量から線量への変換補正が必要です。
- 軸外線量比は横方向の線量分布を評価します。
- 出力係数やコリメータ散乱係数は、ビーム軸上の深さ方向測定だけでは求めません。