78AM15|第78回 診療放射線技師国家試験 過去問
18F-FDG PET/CT で得られた PET 像を別に示す。(公式で画像は省略されています) 矢印で示す欠損部の原因で最も考えられるのはどれか。
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正解: 2
正答
2.体動による散乱補正エラー
問題のポイント
18F-FDG PET/CTでは、PET画像を作るときにさまざまな補正処理が行われます。
代表的な補正には、
- 減弱補正
- 散乱補正
- ランダム補正
- 感度補正
- デッドタイム補正
などがあります。
この問題では、PET像に見られる「欠損部」、つまり本来集積があるはずの部位が抜けたように見える原因を問うています。
なぜ体動による散乱補正エラーか
PET撮像中に患者が動くと、収集された放射能分布が本来の位置からずれます。
散乱補正では、体内で散乱したγ線成分を推定し、その分を差し引いて画像を補正します。
しかし、撮像中に体動があると、実際の放射能分布と補正計算に用いる分布が合わなくなります。
その結果、散乱線成分を過大に差し引いてしまうことがあり、PET像上で局所的な集積低下、つまり欠損像として見えることがあります。
したがって、矢印で示す欠損部の原因として最も考えられるのは、体動による散乱補正エラーです。
他の選択肢との区別
1.部分容積効果
誤りです。
部分容積効果は、小さな病変や細い構造の集積が実際より低く見える現象です。
PETの空間分解能に対して病変が小さいと、周囲に信号がにじんでSUVが低く評価されます。
しかし、画像上の明らかな欠損部を作る代表的原因ではありません。
2.体動による散乱補正エラー
正しいです。
撮像中の体動により散乱補正が不正確になり、散乱成分の過補正が起こると、PET像に人工的な欠損が生じることがあります。
3.呼吸位相の違いによる減弱補正エラー
誤りです。
PETは数分間の呼吸運動を平均した画像ですが、CTは一瞬の呼吸位相で撮影されます。
そのため、PETとCTの呼吸位相がずれると、横隔膜周囲、肺底部、肝上縁などで減弱補正エラーが起こります。
典型的には横隔膜近くの位置ずれによるアーチファクトであり、本問の欠損部の原因としては最も適切ではありません。
4.体内の高吸収物質による減弱補正エラー
誤りです。
金属、濃い造影剤、バリウムなどの高吸収物質があると、CT値が高くなり、CT減弱補正後のPET像で偽の高集積が生じることがあります。
つまり、欠損というより過補正による高集積アーチファクトが問題になりやすいです。
5.PETとCTの有効視野の違いによるトランケーションアーチファクト
誤りです。
トランケーションアーチファクトは、体の一部がCTの有効視野からはみ出すことで、減弱補正マップが不完全になる現象です。
腕や体幹外側がCT視野外になる場合などに起こり、画像辺縁部の補正異常として見られます。
本問の矢印で示された欠損部の原因としては、体動による散乱補正エラーの方が適切です。
覚えるポイント
PET/CTのアーチファクトは、原因ごとに整理すると判別しやすいです。
- 体動:PET収集中の位置ずれにより補正エラーや欠損像を生じる
- 呼吸位相の違い:横隔膜周囲、肺底部、肝上縁で減弱補正エラー
- 高吸収物質:CT減弱補正により偽高集積を生じやすい
- トランケーション:CT視野外に体がはみ出し、辺縁部で補正異常
- 部分容積効果:小病変の集積が過小評価される
本問では、PET像の欠損部が補正処理の異常によるものと考えられ、最も適切なのは 2.体動による散乱補正エラー です。