78AM6|第78回 診療放射線技師国家試験 過去問
腹部 MR 像を別に示す。 画像の説明で正しいのはどれか。 2 つ選べ。

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正解: 4・5
正答
4.造影後に撮影している。
5.膵尾部に低信号域が観察できる。
画像の見方
提示画像は腹部MRIの軸位断像です。
画像左下にRマーカーがあるため、画像左側が患者の右側、画像右側が患者の左側です。
画像左側には肝臓、画像右側には胃、脾臓、左腎が見えます。
肝実質や腎実質、血管内が高信号に描出されており、造影剤投与後のT1強調系画像と考えられます。
また、皮下脂肪や腹腔内脂肪の信号が抑えられているため、脂肪抑制を併用した造影T1強調像として見ると理解しやすいです。
なぜ4が正しいか
画像では、肝臓、腎臓、大動脈などが明るく描出されています。
これはガドリニウム造影剤投与後に、血流のある臓器や血管がT1短縮効果によって高信号になるためです。
したがって、この画像は造影後に撮影された画像と判断できます。
よって、4.造影後に撮影している、は正しいです。
なぜ5が正しいか
膵臓は胃の後方、脾臓の内側へ向かって横走する臓器です。
膵尾部は患者左側、つまり画像では右側寄り、脾臓の近くに位置します。
この画像では、膵尾部付近に周囲より低信号に見える領域が確認できます。
そのため、5.膵尾部に低信号域が観察できる、は正しいです。
他の選択肢との区別
1.水抑制画像である。
誤りです。
この画像では水を選択的に抑制しているというより、脂肪抑制を併用した造影T1強調像として考えるのが自然です。
水抑制画像であれば、液体成分の信号低下を主目的として評価しますが、本画像のポイントは造影後の臓器・血管の増強効果です。
2.腎動脈が観察できる。
誤りです。
左腎や大動脈は見えますが、この断面で腎動脈を明瞭に同定する設問ではありません。
腎動脈は大動脈から左右の腎門へ向かう細い血管で、MRAや適切な断面・時相で評価します。
3.上行結腸が観察できる。
誤りです。
上行結腸は患者右側の腹部を走る大腸です。
本画像は上腹部の断面で、肝臓、胃、脾臓、左腎、膵臓周囲が主に描出されています。上行結腸を示す画像ではありません。
4.造影後に撮影している。
正しいです。
肝臓、腎臓、血管が高信号に描出されており、造影後の画像と判断できます。
5.膵尾部に低信号域が観察できる。
正しいです。
膵尾部は画像右側、脾臓近傍に位置し、その部位に低信号域が見られます。
覚えるポイント
腹部MRIで造影後T1強調像を判断するときは、
- 血管が明るい
- 肝臓や腎臓などの実質臓器が造影される
- 脂肪抑制が併用されると皮下脂肪が暗くなる
- 膵尾部は患者左側、つまり画像右側の脾臓近くにある
という点を確認します。
本問では、造影後に撮影されていることと、膵尾部に低信号域があることから、正答は4と5です。
