36PM185第36回 管理栄養士国家試験 過去問

応用力試験第36回午後・問171〜200

次の文を読み「183」、「184」、「185」に答えよ。 K 病院に勤務する管理栄養士である。 患者は、84 歳、女性。基礎疾患はない。自宅で娘夫婦と同居していたが、家の中で転倒し、大腿骨頸部を骨折したため、入院し手術を受けた。 入院時の身長140 cm、体重35 kg、BMI 17.9 kg/m²。標準体重43 kg。筋肉および皮下脂肪の喪失がみられた。血液検査値は、ヘモグロビン9.7 g/dL、総たんぱく質6.3 g/dL、アルブミン3.0 g/dL。咀嚼・嚥下障害はない。自宅での食事は娘が作っており、家族と同じものを食べていた。 リハビリが進み、自宅への退院の目途が立ったため、患者とその家族に対し栄養食事指導を行うこととなった。優先すべき指導内容である。 最も適切なのはどれか。1 つ選べ。

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正解: 1

正答

1

この問題のポイント

大腿骨頸部骨折術後、自宅退院を控えた84歳低栄養女性への退院時栄養食事指導で、優先すべき指導内容を選ぶ問題です。

解説

この患者はBMI17.9kg/m²で、筋肉・皮下脂肪の喪失もみられるため、低栄養が強く疑われます。アルブミン値は炎症などの影響も受けるため単独では判定しませんが、身体所見と合わせると栄養状態の低下を支持します。低栄養は筋力低下・サルコペニアを介して再転倒・再骨折の重要な危険因子となり、リハビリの効果や在宅生活の維持にも関わります。

したがって、退院後の食事で最も優先すべきは、十分なエネルギーを摂取して低栄養を改善することです。ビタミンDやカルシウムは骨粗鬆症・骨折予防に、鉄は貧血改善に重要ですが、エネルギー摂取が不足したままでは、摂取したたんぱく質もエネルギー源として消費されてしまい、栄養状態は改善しません。土台となるエネルギー確保が第一です。

選択肢の確認

1.エネルギー摂取
最も適切。BMI17.9、アルブミン3.0g/dL、筋肉・皮下脂肪の喪失がみられる低栄養状態の改善が最優先課題です。十分なエネルギー摂取は筋力回復、再転倒・再骨折の予防、在宅生活の維持の基盤となります。

2.ビタミンD 摂取
適切でない。骨折予防に重要な栄養素ですが、低栄養の改善というこの患者の最優先課題には、まずエネルギーの確保が必要です。

3.カルシウム摂取
適切でない。骨の健康に重要ですが、エネルギー不足の状態ではカルシウムだけ摂っても低栄養や筋力低下は改善しません。優先度はエネルギーより低くなります。

4.鉄摂取
適切でない。ヘモグロビン9.7g/dLと貧血はありますが、まず全体の栄養状態(エネルギー)を立て直すことが優先されます。

覚えるポイント

  • 低栄養高齢者への指導は、エネルギー・たんぱく質の確保が最優先
  • 低栄養はサルコペニア・再転倒・再骨折のリスクを高める
  • ビタミンD・カルシウム・鉄も重要だが、この事例では全体の低栄養改善につながるエネルギー確保を優先する

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