36PM191|第36回 管理栄養士国家試験 過去問
次の文を読み「191」、「192」、「193」に答えよ。 K 社に勤務する管理栄養士である。これまでも、特定健康診査・特定保健指導を実施していたが、社員の脳・心血管疾患の罹患率は高い状態が続き、改善がみられない。そこで、健康保険組合と協議して、実施内容を見直すことになった。 特定健康診査の結果の一部である(表)。この結果から、健康管理の一環として、40 歳以上の社員の保健指導の内容を見直した。その内容に関する記述である。 最も適切なのはどれか。1 つ選べ。 表 保健指導判定値による リスクありの者および喫煙者の割合 リスク評価項目 割合(%) 腹囲 20 BMI 15 血圧 40 脂質 10 血糖 20 喫煙 40 特定健康診査受診者500 人(K 社社員)
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
特定健康診査の結果(リスク保有者の割合)を読み取り、脳・心血管疾患の罹患率改善に向けた保健指導の見直し内容を選ぶ問題です。
解説
表の結果を整理すると、血圧リスク保有者40%、喫煙者40%と高い一方、腹囲リスクは20%、BMIリスクは15%と、肥満に該当する者は比較的少ないことがわかります。
ここで重要なのは、特定保健指導(積極的支援・動機付け支援)の対象は、腹囲またはBMIが基準以上の者(肥満者)に限られるという制度上の仕組みです。つまり、この会社に多い「肥満はないが血圧などのリスクを持つ社員(非肥満のリスク保有者)」は、特定保健指導の対象から外れてしまいます。
この表だけで罹患率が高い原因を断定はできませんが、現在の特定保健指導だけでは、非肥満のリスク保有者への支援が抜け落ちる可能性が読み取れます。健康管理の一環としてこの層にも保健指導を実施することが、表から導ける最も適切な見直しです。
選択肢の確認
1.積極的支援期間の延長
適切でない。積極的支援の対象は肥満のリスク保有者に限られます。腹囲20%・BMI15%と肥満該当者が少ないこの集団では、既存対象者への支援強化だけでは、多数を占める非肥満のリスク保有者に届きません。
2.動機付け支援回数の増加
適切でない。動機付け支援も肥満該当者が対象であり、回数を増やしても非肥満で血圧リスクを持つ社員などへの対応にはなりません。
3.情報提供内容の充実
適切でない。情報提供は健診受診者全員が対象ですが、一律の情報提供の充実だけでは、血圧40%・喫煙40%という高いリスク保有状況に対する個別の働きかけとして不十分です。
4.非肥満のリスク保有者に対する保健指導の実施
最も適切。この集団は肥満該当者(腹囲20%、BMI15%)が少ないのに血圧リスク40%・喫煙40%と高く、特定保健指導の対象外となる非肥満のリスク保有者が多いと読み取れます。その層への保健指導の実施が、脳・心血管疾患対策として最も効果的です。
覚えるポイント
- 特定保健指導(動機付け支援・積極的支援)の対象は、腹囲・BMIが基準以上の者に限られる
- 非肥満でも血圧・血糖・脂質・喫煙のリスクがあれば脳・心血管疾患のリスクは高い
- 健診データから集団の特徴(どの層にリスクが多いか)を読み取り、対策の抜け穴を埋める