36PM194|第36回 管理栄養士国家試験 過去問
次の文を読み「194」、「195」、「196」に答えよ。 K 県健康増進課の管理栄養士である。 K 県では5 年ごとに国民健康・栄養調査に準じた方法で、統計的に十分な対象者数を得て、県民健康・栄養調査を11 月に実施している。 これまでは1 日間の食事記録法による食事調査を行い、県民摂取量の代表値を得て、前回調査からの変化を評価できるように実施してきた。今回の調査目的は、経年比較に加え、日本人の食事摂取基準を用いた摂取状況のアセスメントを行い、施策立案の資料を得ることである。 調査目的を達成するための食事調査方法である。 最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
経年比較に加えて、食事摂取基準を用いた摂取状況のアセスメントを行うという調査目的に合った食事調査方法を選ぶ問題です。
解説
食事摂取基準を用いたアセスメントでは、集団の習慣的な摂取量の分布から、不足や過剰のリスクを持つ者の割合を推定します。そのためには、日々の摂取量の変動(個人内変動)の影響を取り除いた習慣的摂取量の推定が必要です。
1日間の食事記録では個人内変動の影響で分布の幅が実際より大きく見積もられてしまいます。不連続の複数日の食事記録を行えば、個人内変動を考慮して習慣的摂取量の分布を推定でき、食事摂取基準を用いたアセスメントが可能になります。また、従来と同じ食事記録法を用いるため、これまでの調査結果との経年比較も維持できます。
ひっかけ注意:食物摂取頻度調査法(FFQ)は個人の習慣的摂取の把握に使われますが、摂取量の絶対値の推定精度が低く、食事記録法による過去の調査との経年比較もできなくなるため、この目的には合いません。
選択肢の確認
1.従来と同じ1 日間の食事記録法
適切でない。経年比較はできますが、1日間の記録では個人内変動の影響を除けず、習慣的摂取量の分布を推定できないため、食事摂取基準を用いたアセスメントという新たな目的を達成できません。
2.不連続の複数日の食事記録法
最も適切。複数日の記録により個人内変動を考慮した習慣的摂取量の分布が推定でき、食事摂取基準によるアセスメントが可能です。記録法を継続するため従来調査との経年比較もでき、両方の目的を満たします。
3.K 県で妥当性が確認された食物摂取頻度調査法
適切でない。妥当性が確認されていても、FFQは摂取量の絶対値の推定に不向きで、これまでの食事記録法による結果との経年比較ができなくなります。
4.全国規模のコホート研究で実績のある食物摂取頻度調査法
適切でない。FFQである時点で選択肢3と同じ問題があり、さらに他集団での実績はK県民への妥当性を保証するものではありません。
覚えるポイント
- 食事摂取基準を用いた集団のアセスメントには、習慣的摂取量の分布が必要
- 習慣的摂取量の推定には、不連続の複数日の食事記録で個人内変動を考慮する
- 経年比較を続けるには、調査方法(食事記録法)を変えないことが原則