36PM192第36回 管理栄養士国家試験 過去問

応用力試験第36回午後・問171〜200

次の文を読み「191」、「192」、「193」に答えよ。 K 社に勤務する管理栄養士である。これまでも、特定健康診査・特定保健指導を実施していたが、社員の脳・心血管疾患の罹患率は高い状態が続き、改善がみられない。そこで、健康保険組合と協議して、実施内容を見直すことになった。 これまで保健指導を呼びかけても反応しなかった無関心層をターゲットとし、保健指導の利用を促すチラシを作成した。ナッジを活用したチラシとして、最も適切なのはどれか。1 つ選べ。

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正解: 1

正答

1

この問題のポイント

ナッジとは、選択の自由を残したまま、情報の示し方や選択環境を工夫して、望ましい行動を自然に後押しする方法です。この問題では、保健指導に関心を示さなかった人を動かすために、周囲の人の行動を示す「社会規範」が使われているかを見分けます。

解説

正答のチラシには、「昨年は、わが社の保健指導対象者の2人に1人が保健指導を受けました」と示されています。これは、同じ職場の多くの人がすでに保健指導を受けているという事実を伝え、「自分も受けてみよう」と思わせる方法です。

人は、周囲の人が実際に取っている行動を知ると、それに合わせて行動しやすくなります。このように「多くの人が行っている行動」を知らせて意思決定を後押しする働きは、記述的社会規範を利用したナッジに当たります。受診を強制したり罰を科したりせず、本人が自発的に選べる点もナッジの特徴です。

選択肢の確認

1.昨年は、わが社の保健指導対象者の2 人に1 人が保健指導を受けました。
正しい。チラシには、対象者の「2人に1人」が保健指導を受けたと示されています。同僚の行動という社会規範を利用し、無関心層の自発的な利用を後押ししています。

2.わが社の昨年の保健指導実施率は50%でした。目標の70%に達していません。
誤り。チラシには、実施率が50%で目標の70%に達していないと示されています。組織の目標未達を伝える情報であり、対象者自身の行動を自然に促す選択環境の工夫とはいえません。

3.保健指導を受けないと、脳・心血管疾患のリスクが高まります。
誤り。チラシには、保健指導を受けないと脳・心血管疾患のリスクが高まると示されています。疾病リスクを強調する恐怖喚起であり、社会規範を利用したナッジではありません。

4.保健指導を受けると、こんないいことがあります。生活習慣改善のヒントをお伝えします。管理栄養士による個別の食事診断が受けられます。
誤り。チラシには、生活習慣改善のヒントや管理栄養士による個別の食事診断を受けられるという便益が示されています。これは保健指導の利点を説明する情報提供であり、ナッジの活用とは区別します。

覚えるポイント

  • ナッジは、禁止・強制・大きな経済的誘因を用いず、選択の自由を保ちながら行動を後押しする
  • 「多くの人が実際にしている」と伝える方法は、記述的社会規範を利用したナッジである
  • 単なる知識提供、恐怖喚起、目標値の提示だけでは、ナッジとはいえない

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