111PM031|第111回 看護師国家試験 過去問

次の法律のうち最も新しく制定されたのはどれか。

解答・解説を見る

正解: 4

正答

4.ギャンブル等依存症対策基本法

この問題のポイント

喫煙・薬物・飲酒・ギャンブルにかかわる4つの法律を、制定された時代の順に並べられるかを問う問題です。流れは、明治期の未成年者保護の法律、戦後の取締法、平成25年以降に相次いで作られた依存症対策の「基本法」の順です。この流れをつかめば、細かい年号を覚えていなくても判断できます。

解説

4つの法律を時代順に並べる

  • 未成年者喫煙禁止法:明治33年(1900年)制定
  • 麻薬及び向精神薬取締法:昭和28年(1953年)に「麻薬取締法」として制定。平成2年(1990年)の改正で向精神薬の規制が加わり、現在の名称になりました
  • アルコール健康障害対策基本法:平成25年(2013年)制定、平成26年施行
  • ギャンブル等依存症対策基本法:平成30年(2018年)制定・施行

古い順に1→2→3→4となり、最も新しいのは選択肢4です。

「取り締まる法律」から「支える基本法」へ

選択肢1と2は、特定の行為や物質を禁止・規制し、違反に罰則を科す規制法です。選択肢3と4は「対策基本法」という型の法律です。基本理念と、国・地方公共団体・事業者・国民の責務を定め、国に基本計画の策定を義務づけて、予防・医療・相談・社会復帰支援を総合的に進めます。依存症を罰する対象ではなく、予防と回復支援の対象としてとらえる方向への転換を示す法律です。

  • アルコール健康障害対策基本法は、アルコール依存症に加え、多量飲酒、20歳未満の者の飲酒、妊婦の飲酒など不適切な飲酒による心身の健康障害を「アルコール健康障害」と定義しています。本人だけでなく家族への支援も目的に含みます。政府は基本計画の策定が義務、都道府県は推進計画の策定が努力義務です。アルコール関連問題啓発週間は11月10日〜16日です。
  • ギャンブル等依存症対策基本法は、カジノを含む統合型リゾート(IR)の整備をめぐる議論を背景に制定されました。公営競技(競馬・競輪・オートレース・モーターボート競走)やぱちんこなどを「ギャンブル等」とし、多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪などの関連問題にも一体的に対処するとしています。構成は基本計画(政府は義務、都道府県は努力義務)を柱とする点でアルコールの法律と同じです。ギャンブル等依存症問題啓発週間は5月14日〜20日です。

看護実践とのつながり

依存症は意志の弱さではなく、治療と支援で回復をめざす疾患です。看護師には、責めずに受け止める態度、家族の疲弊への支援が求められます。あわせて、保健所・精神保健福祉センターの相談窓口、依存症専門医療機関、断酒会・AA・GA・NAなどの自助グループにつなぐ役割があります。たばこについては、平成30年の健康増進法改正で受動喫煙対策が強化されました(令和2年4月全面施行)。これもあわせて押さえておくと、嗜好品と健康にかかわる法制度の全体像がつかめます。

選択肢の確認

1.未成年者喫煙禁止法:明治33年(1900年)に制定された、4つの中で最も古い法律です。20歳未満の者の喫煙を禁止し、制止しなかった親権者や、20歳未満と知りながらたばこを販売した者を罰する規定をもちます。出題当時はこの名称でした。その後、民法改正で成年年齢が18歳に引き下げられたことに伴い、令和4年4月から「二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律」に名称が変わっています。禁止年齢は20歳のまま変わっていません。大正11年制定の未成年者飲酒禁止法も同様に名称が変わっています。

2.麻薬及び向精神薬取締法:昭和28年(1953年)に麻薬取締法として制定されました。名称が変わった平成2年を基準にしても平成25年より前なので、最も新しいとはいえません。麻薬・向精神薬の製造・譲渡・所持・施用などを免許制や罰則で規制する法律です。医療現場では、麻薬を他の医薬品と区別して鍵をかけた堅固な設備に保管すること、帳簿への記録、事故の届出などが看護業務に直結します。なお、令和5年の改正(令和6年12月施行)で、大麻も本法の「麻薬」として規制されるようになりました。

3.アルコール健康障害対策基本法:平成25年(2013年)に制定された比較的新しい法律ですが、選択肢4より5年ほど早く制定されています。不適切な飲酒による健康障害の発生・進行・再発の防止と、本人・家族への支援を目的とします。依存症分野の「対策基本法」として最初に作られた法律であり、選択肢4と取り違えやすい点に注意します。

4.ギャンブル等依存症対策基本法:正答。平成30年(2018年)に制定・施行され、4つの中で最も新しい法律です。アルコール健康障害対策基本法にならった構成で、ギャンブル等依存症の予防、医療提供体制の整備、相談支援、社会復帰支援、関連問題への対策を国と地方公共団体の責務として定めています。

覚えるポイント

  • 制定順は、未成年者喫煙禁止法(明治33年)→麻薬取締法(昭和28年、平成2年に麻薬及び向精神薬取締法へ改称)→アルコール健康障害対策基本法(平成25年)→ギャンブル等依存症対策基本法(平成30年)です。
  • 依存症分野の「対策基本法」はアルコール(平成25年)が先、ギャンブル等(平成30年)が後です。どちらも政府の基本計画策定は義務、都道府県計画は努力義務です。
  • 啓発週間は、アルコール関連問題が11月10日〜16日、ギャンブル等依存症問題が5月14日〜20日です。
  • 喫煙・飲酒の禁止年齢は、成年年齢が18歳になった後も20歳のままです。法律名は令和4年4月から「二十歳未満ノ者ノ〜」に変わりました。
  • 規制法は「禁止と罰則」、基本法は「理念・責務・基本計画による総合的な支援」が中心です。依存症は治療と回復支援の対象ととらえます。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

問題文・正答・解説に誤りを見つけたら、この問題の誤りを報告する([email protected])までお知らせください。確認して修正します。

関連問題

← 111PM030111PM032 →
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)