111PM032|第111回 看護師国家試験 過去問
21世紀における第二次国民健康づくり運動〈健康日本21(第二次)〉では、( )分野53項目の目標が設定された。( )に入る数値はどれか。
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正解: 2
正答
2.5
この問題のポイント
健康日本21(第二次)の目標が「5分野53項目」で構成されていたことを問う知識問題です。数字を丸暗記するより、5つの分野(基本的な方向)の中身と、最上位に「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」が置かれている構造を理解しておくことが大切です。そうすれば分野を数えて確かめられ、第一次や第三次との比較問題にも対応できます。
解説
国民健康づくり対策の流れ
わが国の健康づくり施策は、次の順で進んできました。
- 1978年:第1次国民健康づくり対策
- 1988年:第2次国民健康づくり対策(アクティブ80ヘルスプラン)
- 2000年度:第3次にあたる「健康日本21」
健康日本21(第二次)はその次の計画で、平成25年度(2013年度)に始まりました。健康増進法に基づいて厚生労働大臣が定める「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針」として位置づけられています。都道府県はこれを踏まえて健康増進計画を策定する義務を負い、市町村は策定の努力義務を負います。計画期間は当初、令和4年度までの10年間でしたが、医療計画など関連計画と期間をそろえるために1年延長され、令和5年度までとなりました。
5つの分野(基本的な方向)
目標は次の5分野に整理され、合計53項目が設定されました。
- 健康寿命の延伸と健康格差の縮小
- 生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(がん、循環器疾患、糖尿病、COPD)
- 社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上(こころの健康、次世代の健康、高齢者の健康)
- 健康を支え、守るための社会環境の整備
- 栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善
最初の分野が全体の最終的な目標にあたり、残りの4分野はそれを実現するための取り組みという関係です。健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を指します。各項目にはベースライン値と目標値が定められ、中間評価と最終評価で達成状況が検証される仕組みでした。
第一次との違い
健康日本21(第一次)は、栄養・食生活、身体活動・運動、休養・こころの健康づくり、たばこ、アルコール、歯の健康、糖尿病、循環器病、がんの9分野で目標を設定していました。個人の生活習慣の改善が中心でした。
第二次では次の点が新たに明確にされました。
- 健康格差の縮小を最上位に掲げたこと
- 地域のつながりや職場など社会環境の整備を独立した分野にしたこと
- 発症予防に加えて重症化予防を打ち出したこと
- こころ・次世代・高齢者の健康を「社会生活機能」としてまとめたこと
健康格差は地域や社会経済状況の違いから生じるため、本人の努力だけでは縮められません。環境へ働きかける視点が必要になります。
出題当時と現在
出題当時(2022年2月)は第二次の計画期間中でした。現在は、令和6年度(2024年度)から12年間の健康日本21(第三次)が始まっています。第三次では、基本的な方向が次の4つに再編されました。
- 健康寿命の延伸と健康格差の縮小
- 個人の行動と健康状態の改善
- 社会環境の質の向上
- ライフコースアプローチを踏まえた健康づくり
問題文は「第二次」と明示しているので、答えは5です。
実践とのつながり
看護職が地域の健康教室や特定保健指導、職場の健康管理に関わるときは、国の目標項目が自治体計画の指標として使われます。どの分野の、どの目標に向けた活動なのかを意識すると、活動の根拠と評価の視点が明確になります。
選択肢の確認
1.4:4つの基本的な方向で構成されているのは、令和6年度から始まった健康日本21(第三次)です。出題当時の第二次は5分野で目標が設定されていたため該当しません。第三次の構成と取り違えないよう、計画の「次数」と分野数を対にして覚えておく必要があります。
2.5:正答。健康日本21(第二次)では、健康寿命の延伸と健康格差の縮小、生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底、社会生活機能の維持及び向上、社会環境の整備、生活習慣及び社会環境の改善の5分野で、53項目の目標が設定されました。
3.6:6という数は、第5の分野に含まれる生活習慣の領域(栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙、歯・口腔の健康)の数と一致するため、混同しやすい選択肢です。しかしこの6領域は1つの分野の内訳であり、目標全体の分野数ではありません。
4.7:健康日本21(第二次)の分野構成には、7つに対応する区分はありません。なお第一次は9分野であり、第一次と第二次の分野数を比べる問題でも7は当てはまらないため、明確に除外できます。
覚えるポイント
- 健康日本21(第二次)は平成25年度開始で、5分野53項目の目標が設定されました。1年延長され、令和5年度まで実施されました。
- 第二次の最上位の目標は「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」で、ほかの4分野はその実現のための取り組みに位置づけられます。
- 第二次で新たに明確化されたのは、健康格差の縮小、社会環境の整備、重症化予防、こころ・次世代・高齢者の健康を含む社会生活機能です。
- 生活習慣の6領域(栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙、歯・口腔の健康)は、5分野のうち1つの内訳です。
- 分野数は計画ごとに違います。第一次は9分野、第二次は5分野、第三次(令和6年度から12年間)は4つの基本的な方向です。
- 法的根拠は健康増進法で、国の基本方針を踏まえ、都道府県は健康増進計画の策定義務、市町村は策定の努力義務を負います。
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