111PM033|第111回 看護師国家試験 過去問

医療法に基づく記述で正しいのはどれか。

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正解: 4

正答

4.有床診療所は19人以下の患者を入院させる施設を有するものである。

この問題のポイント

医療法が定める医療提供施設の基本的な枠組みを問う問題です。問われているのは、病院と診療所の定義、病床の種別、そして承認・許可・届出を受ける相手です。判断の鍵は、選択肢の「2種類」「厚生労働大臣」「19人以下」という数と主体です。病院と診療所を分ける「20人」という境目と、手続きの相手が厚生労働大臣か都道府県知事かを区別できれば正答できます。

解説

病院と診療所の定義(入院施設の規模で分ける)

医療法(第1条の5)は、医業を行う場所を入院施設の規模で次のように区分しています。

  • 病院:20人以上の患者を入院させるための施設を有するもの
  • 診療所:患者を入院させるための施設を有しないもの(無床診療所)、または19人以下の患者を入院させるための施設を有するもの(有床診療所)

「20床以上なら病院、19床以下なら診療所」と覚えます。同じ医療法には助産所の規定もあり、助産所は妊婦・産婦・褥婦10人以上の入所施設を有してはなりません(入所は9人まで)。「20・19・10」の数字はセットで問われやすいところです。有床診療所は、地域の分娩の場や、在宅療養中の患者が急変したときの受け皿としての役割も担っています。

病床の種別

医療法は病院の病床を次の5種類に区分しています。

  • 精神病床:精神疾患を有する者を入院させるための病床
  • 感染症病床:感染症法に定める一類感染症・二類感染症(結核を除く)・新型インフルエンザ等感染症などの患者を入院させるための病床
  • 結核病床:結核の患者を入院させるための病床
  • 療養病床:主として長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるための病床
  • 一般病床:上の4つ以外の病床

療養病床と一般病床は、2000年の医療法改正で、それまでの「その他の病床」を分けて設けられたものです。

厚生労働大臣と都道府県知事の役割分担

特別な機能をもつ病院は、医療法に基づく承認を受けて名称を用います。

  • 特定機能病院:高度の医療の提供・開発・評価と、高度の医療に関する研修を担います。厚生労働大臣が承認し、400床以上などの要件があります。
  • 地域医療支援病院:かかりつけ医を支援する病院です。紹介患者への医療の提供、施設・設備の共同利用、救急医療の提供、地域の医療従事者の研修を担います。都道府県知事が承認し、原則200床以上などの要件があります。
  • 臨床研究中核病院:質の高い臨床研究の中心となる病院で、厚生労働大臣が承認します。

施設の開設手続きの相手は、いずれも都道府県知事(診療所・助産所は、保健所を設置する市や特別区では市長・区長)です。

  • 病院を開設するときは、開設者が誰であっても事前に許可を受けます。
  • 臨床研修等修了医師が診療所を開設したときは、開設後10日以内に届け出ます。
  • それ以外の者(医療法人など)が診療所を開設するときは、事前に許可を受けます。
  • 診療所に病床を設けるときは、都道府県知事の許可が必要です。

開設後の立入検査も、保健所を通じて都道府県知事等が行います。医療機関の開設や監督は、地域の実情を把握している都道府県等が担う仕組みです。

正答の判断

選択肢4は、医療法の診療所の定義そのものです。選択肢1は病床の数、選択肢2は承認する者、選択肢3は届出の相手が誤っています。したがって正答は選択肢4です。

選択肢の確認

1.病床の区分は療養病床と一般病床の2種類である。:医療法が定める病床の種別は、精神病床・感染症病床・結核病床・療養病床・一般病床の5種類で、2種類ではありません。療養病床と一般病床は、医療計画の基準病床数を算定するときに二次医療圏ごとにまとめて扱われます。そのため、この2つだけが並ぶ場面を見て混同しやすい点に注意します。精神・結核・感染症の患者のための専用病床も、医療法上の病床の種別に含まれます。

2.地域医療支援病院は厚生労働大臣の承認が必要である。:地域医療支援病院を承認するのは都道府県知事で、厚生労働大臣ではありません。厚生労働大臣の承認が必要なのは、特定機能病院と臨床研究中核病院です。地域の医療を支える病院は地域の行政(都道府県知事)が、全国水準の高度医療や臨床研究を担う病院は国(厚生労働大臣)が承認する、と役割に結びつけると取り違えません。

3.無床診療所の開設には厚生労働大臣への届出が必要である。:診療所の開設手続きの相手は都道府県知事(保健所を設置する市・特別区では市長・区長)で、厚生労働大臣ではありません。臨床研修等修了医師が開設する場合は開設後10日以内の届出、それ以外の者が開設する場合は事前の許可です。「届出」という手続き自体は実在するため、相手を読み飛ばすと正しく見えてしまう選択肢です。

4.有床診療所は19人以下の患者を入院させる施設を有するものである。:正答。医療法では、診療所は入院施設を有しないもの、または19人以下の患者を入院させるための施設を有するものと定義されています。このうち入院施設をもつものを有床診療所と呼びます。20人以上の患者を入院させる施設を有すると病院になります。

覚えるポイント

  • 病院は20人以上、診療所は無床または19人以下の入院施設をもつ施設です。助産所は妊産褥婦10人以上の入所施設を有してはなりません(9人まで)。
  • 病床の種別は、精神病床・感染症病床・結核病床・療養病床・一般病床の5種類です。
  • 承認する者は、特定機能病院(400床以上)と臨床研究中核病院が厚生労働大臣、地域医療支援病院(原則200床以上)が都道府県知事です。
  • 開設手続きの相手は都道府県知事(診療所は保健所設置市・特別区では市長・区長)です。病院は許可、医師が開設する診療所は開設後10日以内の届出、それ以外の者が開設する診療所は許可です。
  • 手続きの問題では、「許可・承認・届出」の区別と「誰に対して行うか」の両方を必ず確認します。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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