112PM002|第112回 看護師国家試験 過去問

健康日本21(第二次)における1日の塩分摂取量の目標値で正しいのはどれか。

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正解: 2

正答

2.8.0 g

この問題のポイント

健康日本21(第二次)の「栄養・食生活」分野で掲げられた、食塩摂取量の目標値を問う問題です。この目標は成人の1日当たりの食塩摂取量の平均値を下げるという、集団全体に向けた目標です。高血圧の人への指導の目安や、日本人の食事摂取基準の目標量とは別の数値です。似た数値が並ぶので、どの指針の、誰を対象にした数値なのかを区別して覚えることが鍵になります。

解説

健康日本21(第二次)の位置づけ

健康日本21(第二次)は、健康増進法に基づく国民の健康づくりの基本方針です。2013年度(平成25年度)に始まり、当初は2022年度まで、その後1年延長されて2023年度までの計画でした。全体の目標は健康寿命の延伸と健康格差の縮小です。その下に、生活習慣病の発症予防と重症化予防、生活習慣の改善などの分野別目標が置かれています。

食塩摂取量の目標

「栄養・食生活」の分野では、「適切な量と質の食事をとる者の増加」の一つとして、食塩摂取量の減少が掲げられました。

  • 指標:成人(20歳以上)の1日当たりの食塩摂取量の平均値
  • 策定時の値:10.6 g(平成22年国民健康・栄養調査)
  • 目標値:8 g

同じ分野では、野菜摂取量の平均値を1日350 gに増やすことも目標とされており、あわせて出題されやすい数値です。

なぜ食塩の減少を目標にするのか

食塩を過剰に摂ると血圧が上がり、高血圧を介して脳血管疾患や心疾患、慢性腎臓病の危険が高まります。食塩の多い食事は胃がんの危険因子でもあります。高血圧の人だけでなく国民全体の平均摂取量を少しずつ下げると、集団全体の血圧分布が下がり、多くの循環器疾患を減らせます。これはポピュレーションアプローチの考え方です。そのため目標は「個人が守る上限」ではなく「集団の平均値」の形で示されています。

実際の摂取量との差

令和元年国民健康・栄養調査では、20歳以上の食塩摂取量の平均値は約10.1 gでした(男性約10.9 g、女性約9.3 g)。減少傾向にはありますが、目標の8 gには届いていません。

出題当時と現在

出題当時(2023年2月)に有効だったのは健康日本21(第二次)で、目標値は8 gです。現在は2024年度から健康日本21(第三次)が始まっており、食塩摂取量の目標値は7 gに引き下げられています。本問の正答は、出題当時の第二次の目標値である8 gです。

混同しやすい数値の整理

  • 健康日本21(第二次):成人の平均値の目標として8 g
  • 健康日本21(第三次):同じく平均値の目標として7 g
  • 日本人の食事摂取基準(2020年版):生活習慣病予防のための目標量として、成人男性7.5 g未満、成人女性6.5 g未満
  • 高血圧・慢性腎臓病の人:6 g未満(高血圧治療ガイドライン2019、食事摂取基準2020年版の重症化予防のための量)
  • WHOの推奨:成人で1日5 g未満

臨床や地域で減塩を指導するときは、対象者に合った基準を使い分けます。高血圧の人には6 g未満を目安にします。そのうえで、汁物や麺類のつゆの量、漬物・加工食品、外食や調味料の使い方を具体的に見直すよう支援します。

選択肢の確認

1.6.0 g:高血圧の人に推奨される1日6 g未満という減塩目標に対応する値です。慢性腎臓病の重症化予防の目安とも一致します。すでに疾患を持つ個人に対する治療・重症化予防の基準であり、国民全体の平均値を下げる健康日本21(第二次)の目標値ではありません。個人向けの指導目標と集団の目標を取り違えると選びやすい選択肢です。

2.8.0 g:正答。健康日本21(第二次)では、成人の1日当たりの食塩摂取量の平均値を、策定時の10.6 g(平成22年)から8 gに減らすことが目標とされました。なお、現在の健康日本21(第三次)では目標値が7 gになっています。

3.10.0 g:令和元年国民健康・栄養調査の成人の平均摂取量(約10.1 g)に近い、実際の摂取量の水準です。また、健康日本21(第一次)では成人の目標が1日10 g未満とされていました。第二次ではさらに踏み込んだ8 gが目標なので、本問の答えにはなりません。

4.12.0 g:現在の成人の平均摂取量である約10 gよりも多い値です。減塩を目指す目標として設定されることはありません。健康日本21や食事摂取基準のいずれの指標にも、この値は目標として使われていません。

覚えるポイント

  • 健康日本21(第二次)の食塩摂取量の目標は、成人の1日平均で8 gです(策定時10.6 g)。第三次(2024年度〜)では7 gに引き下げられています。
  • 健康日本21の目標は「集団の平均値」、食事摂取基準の目標量は「個人が目指す量」です。数値の性格が違います。
  • 食事摂取基準(2020年版)の食塩の目標量は、成人男性7.5 g未満、成人女性6.5 g未満です。
  • 高血圧・慢性腎臓病の人の減塩目標は6 g未満、WHOの推奨は5 g未満です。
  • 実際の摂取量は令和元年で成人平均約10.1 gで、目標に届いていません。男性のほうが多い傾向です。
  • 健康日本21(第二次)では、野菜摂取量の目標(1日平均350 g)も食塩とあわせて頻出です。

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