111PM073|第111回 看護師国家試験 過去問
機能別看護方式の説明で正しいのはどれか。
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正解: 2
正答
2.内容別に分類した看護業務を複数の看護師が分担して実施する。
この問題のポイント
看護提供方式(看護方式)の代表的な型を、定義で区別できるかを問う問題です。区別の鍵は「何を単位にして看護師に仕事を割り振るか」です。機能別看護方式は、患者ではなく**業務(仕事の種類)**を単位に分担します。受け持ち看護方式、プライマリナーシング、チームナーシングと並べて整理しておくと、類題にも対応できます。
解説
看護提供方式とは、病棟などで限られた看護職員をどう配置し、患者への看護をどう分担するかを定めた仕組みです。人員数、看護師の経験の幅、患者の重症度などによって向き不向きがあります。看護管理の分野で繰り返し出題されるテーマです。
各方式は、割り振りの単位で整理すると混同しにくくなります。
- 機能別看護方式:単位は業務です。検温、与薬、注射、処置、清拭、記録などの業務を内容ごとに分けます。「検温係」「処置係」のように担当者を決め、その勤務帯の患者全員分を実施します。
- 受け持ち看護方式(患者受け持ち方式):単位は勤務帯ごとの患者です。その勤務帯に担当する患者を決め、1人の看護師がその患者の看護を一通り行います。担当は勤務帯ごとに変わりえます。
- プライマリナーシング:単位は入院期間を通した患者です。1人の看護師(プライマリナース)が入院から退院まで継続して受け持ちます。看護計画の立案から評価まで、24時間を通じて責任をもちます。
- チームナーシング:単位は患者グループと看護師チームです。リーダーのもとで経験の異なるメンバーが協力し、カンファレンスで情報を共有しながら看護を行います。
機能別看護方式の長所は、業務を流れ作業のように進められるため効率がよいことです。少ない人数でも多くの患者に対応でき、同じ業務を繰り返すので手技に習熟しやすくなります。経験の浅い看護師にも業務を割り当てやすい点も利点です。
一方で、1人の患者に複数の看護師が断片的に関わるという短所があります。そのため患者の全体像を把握しにくく、ケアの継続性や個別性が損なわれやすくなります。患者から見ると誰が自分の担当なのかわかりにくく、個々の患者の看護に対する責任の所在も不明確になりがちです。看護師も仕事の一部しか担わないため、達成感を得にくいとされます。こうした特徴から、機能別の分担は、人員の少ない夜勤帯や業務が一時的に集中する場面で、他の方式と組み合わせて部分的に使われることがあります。
設問の「機能別」という言葉自体が、機能(業務・役割)で分けることを示しています。選択肢のうち、患者ではなく看護業務を分類して分担すると書かれているのは選択肢2だけです。残りの3つは、いずれも患者を単位に受け持つ方式の説明です。
実際の病棟では、単一の方式よりも、複数の方式の長所を組み合わせた方式が広く用いられています。
- 固定チームナーシング:チームのメンバーを一定期間固定し、継続受け持ちと組み合わせる方式です。
- モジュール型継続受け持ち方式:病棟を小さな単位(モジュール)に分け、その中で継続して受け持つ方式です。
- パートナーシップ・ナーシング・システム(PNS):2人の看護師が対等なパートナーとしてペアを組み、複数の患者を共同で受け持つ方式です。
どの方式を評価するときも、患者の全体像の把握、看護の継続性、責任の所在をどう確保するかが共通の視点になります。
選択肢の確認
1.勤務帯ごとに各看護師が担当する患者を決めて受け持つ。:これは受け持ち看護方式(患者受け持ち方式)の説明です。患者を単位にしている点で、業務を単位にする機能別看護方式とは異なります。勤務帯の中では1人の看護師が患者の全体をみられますが、勤務帯が変われば担当者も変わりえます。そのため入院期間を通じた継続性は確保されにくく、この点で選択肢3のプライマリナーシングと区別します。
2.内容別に分類した看護業務を複数の看護師が分担して実施する。:正答。検温・与薬・処置などの業務を内容別に分け、各看護師が担当業務を全患者に対して行うのが機能別看護方式です。効率性に優れる反面、ケアが断片化しやすいことが特徴です。
3.1人の看護師が1人の患者を入院から退院まで継続して受け持つ。:これはプライマリナーシングの説明です。プライマリナースは看護計画に24時間責任をもち、勤務していない時間帯はアソシエートナースがその計画に沿ってケアを行います。継続性と責任の所在が最も明確になる方式で、機能別看護方式の短所である断片化や責任の不明確さとは正反対の性格をもちます。ただし、看護の質がプライマリナースの力量に左右されやすいことが短所です。
4.患者を複数のグループに分け、各グループを専属の看護師チームが受け持つ。:これはチームナーシングの説明です。リーダーがメンバーに役割や受け持ちを割り当て、経験の異なる看護師が互いに補い合います。チーム内の仕事の割り振りに業務別の分担が入ることもありますが、方式の基本は患者グループをチームが受け持つ点にあります。リーダーの力量に質が左右されやすく、メンバーが日々入れ替わると継続性が保ちにくいことが課題です。これを補う工夫として、メンバーを一定期間固定する固定チームナーシングがあります。
覚えるポイント
- 看護方式は「何を単位に割り振るか」で区別します。機能別は業務、受け持ちは勤務帯ごとの患者、プライマリは入院から退院までの患者、チームは患者グループと看護師チームです。
- 機能別看護方式の長所は、効率がよい、少人数で対応できる、手技に習熟しやすいことです。短所は、ケアの断片化、全体像の把握と継続性の不足、責任の所在の不明確さです。
- プライマリナーシングは、1人の看護師が24時間責任をもち、不在時はアソシエートナースが計画に沿ってケアします。継続性と責任が明確な反面、看護の質が個人の力量に左右されます。
- チームナーシングは、リーダーとメンバーで構成し、カンファレンスで情報を共有します。経験差を補い合える反面、リーダーの力量に左右されます。固定チームナーシングはメンバーを一定期間固定する方式です。
- PNSは、2人の看護師が対等なパートナーとしてペアを組み、複数の患者を共同で受け持つ方式です。
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