112AM020|第112回 看護師国家試験 過去問
個人防護具の脱衣手順で最初に外すのはどれか。
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正解: 1
正答
1.手袋
この問題のポイント
個人防護具(PPE)を脱ぐ順序を問う基本問題です。判断の鍵は2つの原則です。1つは最も汚染されているものから外すこと、もう1つは気道を守るマスクは最後まで外さないことです。患者や環境に直接触れ続ける手袋が最も汚染されているため、最初に外します。
解説
脱衣の原則
個人防護具には2つの役割があります。血液・体液・排泄物などから医療者の皮膚・粘膜・着衣を守ることと、病原体をほかの患者や環境へ持ち出さないことです。着用中の防護具の外側はすべて汚染されているとみなします。そのため、脱ぐ過程で汚染面に素手や顔が触れると、防護の意味がなくなってしまいます。脱衣の順序は、次の考え方から決まります。
- 汚染度の高いものから外す:処置中に患者や物品に直接触れ続ける手袋が最も汚染されています。手袋をはめたまま首ひもやゴーグルのバンドを扱うと、汚染を首・顔・着衣に広げてしまいます。
- 呼吸器を守るものは最後に外す:マスクは、周囲に漂う飛沫などから鼻・口と気道を守っています。ほかの防護具を外している間も守り続けるため、最後に外します。
- 汚染面に触れず、清潔な部分(内側・ひも・バンド)を持つ:外側を内側に包み込むようにして廃棄します。
標準的な脱衣の順序
米国CDCの手順例や国内の教科書で一般的に示される順序は、手袋 → 手指衛生 → ゴーグル・フェイスシールド → ガウン → マスク → 手指衛生です。ゴーグル・フェイスシールドとガウンの順は、施設のマニュアルによって前後することがあります。ガウンと手袋を一体として裏返しながら脱ぐ方法も示されています。いずれの方法でも「汚染した手袋のまま顔まわりに触れない」「マスクは最後」という考え方は共通です。
手袋を外したあとの手指衛生は省略できません。手袋にはピンホールがあることがあり、外すときに手が汚染されることもあるからです。手袋の着用は手指衛生の代わりにならないと覚えておきます。
各防護具の外し方
- 手袋:手袋をした手で、反対側の手首付近の外側をつまみ、裏返しながら外します。外した手袋は、まだ手袋をしている手に握ります。素手の指を残った手袋の手首の内側に差し入れ、裏返しながら外して、1つ目を包み込みます。
- ゴーグル・フェイスシールド:前面は汚染面なので触れず、後頭部のバンドや耳にかける部分を持って外します。
- ガウン:ひもをほどき、首・肩から内側だけに触れるように引き下ろします。汚染された外側を内側に丸め込み、小さくまとめて廃棄します。
- マスク:前面に触れず、ゴムやひもを持って外します。ひも式の場合は下のひも、上のひもの順にほどきます。
着用の順序との対比
着るときはガウン → マスク → ゴーグル・フェイスシールド → 手袋の順です。手袋はガウンの袖口を覆うように最後にはめます。つまり手袋は「最後に着けて最初に外す」もので、マスクは「早めに着けて最後に外す」ものです。着衣と脱衣をセットで理解すると、順序を丸暗記しなくても導けます。
防護具は原則として病室を出る前(出入口付近)で外します。ただし空気予防策で用いるN95マスクは、病室を出てドアを閉めてから外します。新興感染症の対応などでは、脱衣時が医療者自身の汚染が最も起こりやすい場面の1つです。手順を実際の動作として身につけておくことが重要です。
選択肢の確認
1.手袋:正答。処置やケアの間、患者の皮膚・体液や周囲の環境に直接触れ続けるため、防護具のなかで最も汚染度が高いものです。着けたままほかの防護具に触れると汚染を広げるので、最初に裏返しながら外し、素手が外側に触れないようにします。外した直後に手指衛生を行います。
2.ガウン:体幹や腕を覆う防護具で、処置中の飛散や接触によって前面と袖が汚染されます。脱ぐには首や腰のひもをほどき、体から引き離す動作が必要です。汚染した選択肢1を着けたまま行うと、首まわりや着衣を汚してしまいます。そのため、選択肢1を外して手指衛生を行ったあとに、外側を内側に丸め込みながら脱ぎます。
3.サージカルマスク:飛沫や飛散した体液から、着用者の鼻・口の粘膜と気道を守る防護具です。汚染された環境にいる間は外さず、ほかの防護具をすべて外した最後に、前面に触れないようゴムやひもを持って外します。外したあとには手指衛生を行います。N95マスクでも最後に外す点は同じで、病室を出てから外します。
4.フェイスシールド:目・鼻・口の粘膜を、飛沫や血液・体液のはねから守る防護具で、前面は汚染面です。顔のすぐ近くで扱うため、汚染した手で触れると粘膜が曝露される危険があります。選択肢1を外して手指衛生を行ったあとに、前面に触れず後頭部のバンドなどを持って外します。ゴーグルも同じ扱いです。
覚えるポイント
- 脱衣の順序は、手袋 → 手指衛生 → ゴーグル・フェイスシールド → ガウン → マスク → 手指衛生です。手袋が最初、マスクが最後です。
- 着用の順序は、ガウン → マスク → ゴーグル・フェイスシールド → 手袋です。手袋はガウンの袖口を覆うように最後にはめます。
- 脱衣の原則は、汚染度の高いものから外すこと、外側(汚染面)に触れずひもや内側を持つこと、気道を守るマスクは最後まで残すことです。
- 手袋を外したあとも手指衛生は必須です。手袋はピンホールや外すときの汚染があるため、手指衛生の代わりになりません。
- N95マスクは空気予防策(結核・麻疹・水痘)で使用し、着用のたびにシールチェックを行い、病室の外で外します。サージカルマスクは飛沫予防策などで用います。
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