19AM037|第19回 言語聴覚士国家試験 過去問
共通語(東京方言)の「洗面器」の音声表記として適切なのはどれか。
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正解: 3
正答
(3)
この問題のポイント
「洗面器」では撥音/N/の実現が後続子音に同化し、/m/の前では[m]、/k/の前では[ŋ]となる。さらに「き」は口蓋化した[kʲi]で、[semmeŋkʲi]が適切である。
解説
日本語の撥音は独立したモーラだが、音声的には後続する子音の構音場所へ同化する。/seNmeNki/の最初の/N/は両唇鼻音[m]の直前なので[m]となり、後続の/m/と連続して[mm]のように実現する。二つ目の/N/は軟口蓋音[k]の前なので軟口蓋鼻音[ŋ]になる。また/k/は前舌高母音[i]の前で口蓋化を伴う。語末や休止前で使う口蓋垂鼻音[ɴ]を、子音前のすべての撥音へ機械的に当てないことが重要である。
選択肢の確認
1.「[senmenki]」:[senmenki]は音素に近い表記で、撥音の両唇・軟口蓋への同化を反映していない。
2.「[seɴmeɴkji]」:[seɴmeɴkji]は二つの撥音を口蓋垂鼻音にしており、後続子音への場所同化を示さない。
3.「[semmeŋkji]」:[semmeŋkji]は/m/前の[m]と/k/前の[ŋ]、さらに「き」の口蓋化を表している。
4.「[seŋmeŋkji]」:[seŋmeŋkji]では最初の撥音まで[ŋ]としており、後続/m/への両唇同化と合わない。
5.「[ʃeɴmenkji]」:[ʃeɴmenkji]は語頭/s/を[ʃ]にし、撥音同化も不適切で共通語の実現から外れる。
覚えるポイント
撥音は後続が両唇なら[m]、歯茎なら[n]、軟口蓋なら[ŋ]、語末などで[ɴ]と環境ごとに考える。