20PM040|第20回 言語聴覚士国家試験 過去問
東京方言の成人男性話者による狭帯域サウンドスペクトグラムを示す。対応する組み合わせはどれか。【別図あり】

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正解: 3
正答
(3)
この問題のポイント
原図では、まず無声音区間や鼻音区間を手掛かりに、Aが「はしが」、Bが「あめが」という分節音列だと区別します。次に狭帯域スペクトログラムの横縞の間隔から基本周波数F0の時間変化を読み、Aを頭高型の「箸が」、Bを平板型の「飴が」と判定します。
解説
狭帯域分析では声帯振動の倍音が細い横縞として分離し、隣り合う横縞の周波数間隔がF0に対応します。原図Aには語頭の/h/や語中の/ɕ/に対応する非周期的な区間があり、「はしが」の音列と分かります。Aの有声区間では第1モーラが高く、第1モーラ後にF0が下降して助詞まで低く続くため、東京方言で頭高型の「箸が」です。「橋」は語末モーラ後、すなわち助詞の前で下降する尾高型なので一致しません。原図Bは母音で始まり、語中に/m/の鼻音区間をもつ「あめが」の音列です。語頭の低いF0から上昇した後、助詞「が」まで高く保たれるので平板型の「飴が」に対応します。「雨」は第1モーラ後に下降する頭高型です。画像は濃淡だけでなく、音列を示す非周期区間と、アクセントを示す横縞間隔の両方を順に読みます。
選択肢の確認
1.「A『橋が』―B『飴が』」はBは合いますが、Aは助詞前下降の尾高型ではなく第1モーラ後下降の頭高型なので誤りです。
2.「A『箸が』―B『雨が』」はAは合いますが、Bは助詞まで高い平板型で、頭高型の雨には対応しません。
3.「A『箸が』―B『飴が』」はAの分節音列・頭高型と、Bの分節音列・平板型をともに満たすため正答です。
4.「A『雨が』―B『橋が』」は、AとBの分節音列そのものが「あめが」と「はしが」の割当てに一致しません。
5.「A『飴が』―B『箸が』」も分節音列を逆にしており、さらにアクセント型の対応も逆です。
覚えるポイント
狭帯域図は「非周期区間・鼻音区間で語の音列を同定し、倍音間隔でF0を追う」の二段階で読みます。箸は頭高、橋は尾高、雨は頭高、飴は平板です。