20PM041|第20回 言語聴覚士国家試験 過去問
純音をパワー密度一定の帯域雑音でマスクするとき誤っているのはどれか。
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正解: 2
正答
(2)
この問題のポイント
臨界帯域は、ある純音の検出に主として寄与する聴覚フィルタの帯域幅に対応します。その幅は中心周波数によって変わり、一般に中心周波数が高くなるほどHz単位では広くなるため、「中心周波数によらず一定」という(2)が誤りです。
解説
パワー密度が一定の帯域雑音では、帯域幅を広げるほど雑音の総パワーは帯域幅に比例して増えます。ただし純音の検出閾値に強く影響するのは、信号周波数を中心とした聴覚フィルタ内へ入る雑音エネルギーです。雑音帯域が臨界帯域より狭い間は、帯域を広げるほどフィルタ内の雑音エネルギーが増えてマスキング量も大きくなります。臨界帯域を超えると、追加された成分の多くがフィルタ外となるため、マスキング量の増加は緩やかになります。臨界帯域のHz幅は中心周波数に依存します。また選択肢5は、帯域雑音によるマスキングが低域側より高域側へ広がりやすい「上向性マスキング」を述べたものです。低周波成分による基底膜の興奮が高周波側にも及びやすいため、高域側の信号が受けるマスキングが大きくなります。これは「高周波のマスカーが低周波信号をより強く隠す」という意味ではありません。
選択肢の確認
1.「マスカー雑音のパワーは帯域幅に比例する」は、パワー密度が一定なら帯域にわたる積分値が幅に比例するため正しい記述です。
2.「臨界帯域幅は中心周波数によらず一定」は誤りです。臨界帯域のHz幅は中心周波数に依存するため正答です。
3.「臨界帯域幅を超えるまではマスキング効果は上昇」は、聴覚フィルタ内へ入る雑音エネルギーが増えるため正しい記述です。
4.「臨界帯域幅を超えると上昇が緩くなる」は、追加成分が主に聴覚フィルタ外へ入るため正しい記述です。
5.「帯域雑音の高域の方が低域よりマスキング効果が高い」は、マスキングが高周波側へ広がりやすい非対称性を示す記述として扱います。
覚えるポイント
帯域雑音は「臨界帯域までは閾値が上がり、その先は増加が緩やか」です。臨界帯域は中心周波数依存、マスキングの広がりは高域側に強い、と分けて覚えます。