23AM039第23回 言語聴覚士国家試験 過去問

音声学

ラ行音とダ行音とに発音の混同が生じやすい。この要因として考えられるのはどれか。 a.構音位置が近い。 b.ダ行音でVOT(voice onset time)が負の値になる。 c.ラ行音がそり舌で発音される。 d.どちらも帯気を伴わない。 e.どちらも舌が口蓋に接触する。

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正解: 2

正答

(2)

この問題のポイント

東京方言のラ行とダ行はともに舌尖・舌端を歯茎付近へ接触させるため構音位置が近く、舌が口蓋側へ接触する点も共通し、発音が混同しやすい。aとeが要因となる。

解説

日本語ラ行子音は典型的には歯茎はじき音[ɾ]で、舌尖が歯茎付近へ一瞬接触する。ダ行子音[d]は同じ歯茎付近で舌による閉鎖を作る有声破裂音で、接触の持続と開放様式は異なっても場所・運動が近い。したがって構音発達や運動制御が未熟な場合に置換が起こり得る。ダ行の負のVOTは有声破裂音の音響特徴だが、ラ行との混同を共通性から説明しない。共通語ラ行はそり舌音ではない。無気性という表現も日本語の音韻対立を直接決めず、二音の主要な類似点は舌接触位置である。

選択肢の確認

1.「a,b」:a,bは構音位置の近さは要因だが、ダ行の負VOTだけではラ行との共通構音を説明しない。
2.「a,e」:a,eの歯茎付近という近い構音位置と、舌が口蓋側へ接触する共通運動が混同の要因となる。
3.「b,c」:b,cは負VOTはダ行固有で、ラ行をそり舌で発音するという説明も共通語には合わない。
4.「c,d」:c,dは共通語ラ行は通常そり舌音でなく、無気性だけを主要な混同要因とはしない。
5.「d,e」:d,eは舌接触は重要だが、どちらも帯気しないという広い音声特徴だけでは十分な要因説明にならない。

覚えるポイント

ラ行[ɾ]もダ行[d]も歯茎付近に舌尖接触。違いは一瞬のはじきか、閉鎖保持後の破裂か。

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