25AM039|第25回 言語聴覚士国家試験 過去問
日本語ラ行子音の異音でないのはどれか
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正解: 3
正答
(3)
この問題のポイント
日本語ラ行は典型的な歯茎弾き音[ɾ]を中心に、環境・話者によって側面接近音[l]、歯茎ふるえ音[r]、接近音[ɹ]に近い実現もあります。選択肢表記の[R]、すなわちIPAの口蓋垂ふるえ音[ʀ]は通常の異音ではありません。
解説
異音は、同じ音素が音声環境や話者差に応じて異なる音声として実現しても、語の意味を区別しない関係です。日本語のラ行音素は、多くの場合舌尖が歯茎部へ一回だけ触れる[ɾ]として発音されます。発話速度、強調、隣接母音、個人差によって、舌側から気流が抜ける[l]、複数回振動する[r]、接触の弱い[ɹ]に近づくことがあります。これらはいずれも舌端・歯茎周辺の調音です。一方、設問の[R]は小型大文字Rで表す口蓋垂ふるえ音[ʀ]を指し、舌端でなく舌根後方の口蓋垂を振動させる音です。フランス語等にみられますが、日本語共通語ラ行の通常の異音範囲には含めません。文字の大小を含め、調音場所と方法を確認します。
選択肢の確認
1.「[l]」は側面接近的なラ行実現として話者・環境により現れ得ます。
2.「[ɾ]」は日本語ラ行の最も典型的な歯茎弾き音です。
3.「[R](IPAでは[ʀ])」は口蓋垂ふるえ音で、通常の日本語ラ行異音ではないため正答です。
4.「[r]」は強調等で歯茎ふるえ音に近い実現として現れ得ます。
5.「[ɹ]」は接触の弱い歯茎・後部歯茎接近音的実現として異音範囲に入り得ます。
覚えるポイント
日本語/r/の標準実現は[ɾ]です。[l][r][ɹ]は舌端部の変異としてあり得ますが、口蓋垂で作る[ʀ]は調音場所が大きく異なります。