Y2025M10Q35|2025年10月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問
エックス線の直接作用と間接作用に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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正解: 3
正答
(3)
この問題のポイント
直接作用は二次電子がDNAなどの標的分子を直接電離・励起する過程、間接作用は水の放射線分解で生じるラジカルを介する過程です。低LETのX線では間接作用の寄与が大きくなります。直接作用は二次電子がDNAを直接電離・励起し、間接作用は水由来ラジカルを介して標的を損傷します。 X線が放出した二次電子がDNAや蛋白質などの生体高分子自体を電離・励起して損傷させる経路は直接作用であり、正しい記述です。
解説
直接作用は二次電子がDNAなどの標的分子を直接電離・励起する過程、間接作用は水の放射線分解で生じるラジカルを介する過程です。低LETのX線では間接作用の寄与が大きくなります。
直接作用は放射線がDNA等の標的を直接電離・励起する作用、間接作用は水の放射線分解で生じたラジカルを介する作用です。
選択肢の確認
1.エックス線による直接作用では、エックス線によって飛び出した二次電子が生体高分子の電離又は励起を引き起こし、生体高分子に損傷を与える。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。X線が放出した二次電子がDNAや蛋白質などの生体高分子自体を電離・励起して損傷させる経路は直接作用であり、正しい記述です。
2.エックス線による間接作用では、エックス線によって飛び出した二次電子が水分子の電離又は励起を引き起こしてラジカルを生成し、そのラジカルが生体高分子に損傷を与える。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。二次電子が水を電離・励起してヒドロキシルラジカルなどを生じ、そのラジカルが標的高分子を損傷する経路は間接作用であり、正しい記述です。
3.低温下では、直接作用による放射線効果は減少するが、間接作用による放射線効果は影響を受けない。
× 判定:正答(誤っている記述)。低温では水由来ラジカルの拡散と化学反応が抑えられるため、主に間接作用が低下します。二次電子が標的を直接電離する作用は比較的影響が小さく、記述は両者を逆にしています。
4.生体中にシステインなどのSH 基をもつ化合物が存在するとエックス線の生物効果が軽減されることは、間接作用により説明される。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。システインなどのSH化合物は遊離ラジカルを捕捉し、標的高分子に達する前に反応させるため、間接作用を介した放射線防護効果を説明できます。
5.溶液中の酵素の濃度を変えて一定線量のエックス線を照射するとき、酵素の濃度が減少するに従って、酵素の全分子のうち不活性化される分子の占める割合が増加することは、間接作用により説明される。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。同数のラジカルがより少数の酵素分子に作用すると、一分子が損傷する割合が上がります。標的濃度低下で不活性化率が上がる希釈効果は間接作用の特徴です。
覚えるポイント
希釈効果は標的分子濃度が低いほど不活性化割合が増える現象です。低温はラジカル拡散を抑え、SH化合物はラジカルを捕捉するため間接作用を弱めます。直接作用は放射線がDNA等の標的を直接電離・励起する作用、間接作用は水の放射線分解で生じたラジカルを介する作用です。