34Q108|第34回 介護福祉士国家試験 過去問
Bさん(76歳、女性)は、病気はなく散歩が日課である。肺がん(lung cancer)の夫を長年介護し、数か月前に自宅で看取った。その体験から、死期の迫った段階では延命を目的とした治療は受けずに、自然な最期を迎えたいと願っている。 Bさんが希望する死を表す用語として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 3
正答
3.尊厳死
この問題のポイント
死に関する用語を区別し、本人が「死期が迫った段階で、延命のみを目的とする治療を受けず、自然な経過を望む」と表明していることから、該当する概念を選ぶ問題です。
解説
本問でいう尊厳死は、回復が見込めず死期が迫った段階で、本人の意思に基づき、延命だけを目的とする過剰な医療を控えながら、人としての尊厳を保ち、自然な経過の中で最期を迎えるという考え方です。Bさんの「延命を目的とした治療は受けずに、自然な最期を迎えたい」という希望に最も合うため、正答は尊厳死です。
尊厳死は、苦痛を放置することや、必要なケアをすべて中止することではありません。痛みや息苦しさなどを和らげる緩和ケア、清潔保持、安楽な体位、家族との時間、心理的・社会的・スピリチュアルな支援などを継続し、その人らしい最期を支えます。
終末期の医療・ケアに関する意思は、本人の価値観や人生観を尊重し、十分な説明を受けたうえで、本人、家族等、医療・ケアチームが繰り返し話し合うことが重要です。本人の意思は状態や経験によって変わることがあるため、一度決めた内容を固定せず、確認を重ねます。介護福祉職は、本人の言葉や表情から希望をくみ取り、記録し、多職種に共有します。
ひっかけポイント
尊厳死と積極的安楽死は異なります。尊厳死は自然な死の過程を尊重する考え方であり、積極的安楽死は死を直接起こす行為を行うことです。
介護実践でのポイント
本人が終末期の希望を話したときは、否定したり家族だけで決めたりせず、何を大切にしたいのかを丁寧に聞きます。介護福祉職が治療の中止を判断するのではなく、本人の意思を医療・ケアチームへつなぎます。
選択肢の確認
1.脳死
誤り。
脳死は、脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に失われた状態を指す医学的な概念です。延命治療を望まないという本人の価値判断を表す用語ではありません。
2.突然死
誤り。
突然死は、予期しない形で短時間のうちに死亡することをいいます。本人が自然な最期を望む意思を表す用語ではありません。
3.尊厳死
正答。最も適切です。
死期が迫った段階で、本人の意思に基づいて延命のみを目的とする治療を控え、人としての尊厳を保ちながら自然な最期を迎えるという考え方です。
4.積極的安楽死
誤り。
積極的安楽死は、苦痛から解放する目的で、薬物投与などにより死を直接起こす行為を指します。本事例の「延命を目的とした治療を受けず、自然な最期を迎える」という希望とは異なります。
5.心臓死
誤り。
心臓死は、心拍や呼吸、循環が不可逆的に停止したことによって判定される死の状態です。終末期にどのような医療を希望するかを表す用語ではありません。
覚えるポイント
尊厳死は、本人の意思を尊重し、延命のみを目的とする医療を控えて自然な死を迎えるという考え方です。
積極的安楽死は、死を直接起こす行為であり、尊厳死とは区別します。
終末期でも苦痛緩和と生活支援は続け、本人・家族等・多職種で意思を繰り返し確認します。