34Q122|第34回 介護福祉士国家試験 過去問
次の事例を読んで、問題120から問題122までについて答えなさい。 〔事 例〕 Eさん(35歳、男性)は、1年前に筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)と診断された。当初の症状としては、ろれつが回らず、食べ物の飲み込みが悪くなり、体重の減少がみられた。 その後、Eさんの症状は進行し、同居している両親から介護を受けて生活をしていたが、両親の介護負担が大きくなったため、障害福祉サービスを利用することになった。障害支援区分の認定を受けたところ、障害支援区分3になった。Eさんは訪問介護員(ホームヘルパー)から食事や入浴の介護を受けて自宅で生活をしている。 3年後、Eさんの症状はさらに進行し、障害支援区分6になった。Eさんはこれまでどおり、自宅での生活を希望し、Eさんの両親は障害福祉サービスを利用しながら最期まで自宅でEさんの介護を行うことを希望している。 Eさんと両親の希望の実現に向けて、現在の状態からEさんが利用するサービスとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5.重度訪問介護
この問題のポイント
障害福祉サービスは、障害の状態、必要な支援、本人が望む生活の場を対応させて選びます。重度のALSで常時介護を必要とし、自宅で暮らし続けたいEさんには、生活全般を在宅で総合的に支える重度訪問介護が適切です。
解説
重度訪問介護は、重度の肢体不自由などがあり常時介護を必要とする人に対し、居宅での入浴・排泄・食事などの身体介護、調理・洗濯・掃除などの家事、生活に関する相談・助言、見守り、外出時の移動介護などを総合的に提供する障害福祉サービスです。
Eさんは進行性のALSがあり、3年後には障害支援区分6となりました。本人は自宅生活の継続を望み、両親も障害福祉サービスを利用しながら自宅で最期まで介護することを望んでいます。長時間にわたり生活全般の介護が必要となるEさんの状態と、居宅で暮らすという希望の両方に合うのが重度訪問介護です。
ただし、障害支援区分6だけで機械的にサービスを決めるのではなく、麻痺、移動・排泄等の状態、常時介護の必要性を個別に確認します。また、ALSの在宅療養では、訪問診療・訪問看護、呼吸・排痰・栄養管理、福祉用具、意思伝達支援、緊急時対応、家族の休息支援なども組み合わせます。
ひっかけポイント
「障害支援区分が高いから施設やグループホーム」と短絡しません。本人の障害特性、必要な支援、どこでどう暮らしたいかを照合します。
介護実践でのポイント
病状進行に先回りして、コミュニケーション手段、人工呼吸器等を使用する場合の支援、停電・災害・急変時の対応、家族の介護負担を多職種で共有します。本人と家族の希望は変化し得るため、繰り返し確認します。
選択肢の確認
1.育成医療
誤りです。
育成医療は、身体に障害のある18歳未満の児童に対し、手術等によって障害の除去・軽減が見込まれる場合に行う自立支援医療です。成人のEさんの在宅生活を支える介護サービスではありません。
2.就労定着支援
誤りです。
就労定着支援は、一般就労へ移行した障害者が働き続けられるよう、就業面・生活面の課題について事業所や関係機関との連絡調整などを行うサービスです。事例に一般就労の状況はなく、常時介護への対応にもなりません。
3.共同生活援助(グループホーム)
誤りです。
共同生活援助は、共同生活を営む住居で相談や日常生活上の援助を受けるサービスです。Eさんはこれまでどおり自宅で暮らすことを希望しているため、この希望に最も合うサービスではありません。
4.行動援護
誤りです。
行動援護は、知的障害や精神障害によって行動上著しい困難があり、危険回避などの援護を必要とする人への支援です。ALSによる重度の身体障害と在宅での生活全般の介護というEさんのニーズには該当しません。
5.重度訪問介護
正しいです。
重度の肢体不自由などにより常時介護が必要な人の居宅を訪問し、身体介護、家事、見守り、相談・助言、外出支援などを生活全般にわたって総合的に行います。
覚えるポイント
- 重度訪問介護は、常時介護を必要とする重度障害者の在宅生活を総合的に支える。
- 身体介護だけでなく、家事、見守り、相談・助言、外出時の介護も含む。
- サービス選択では、障害の状態、支援の必要性、本人の生活場所の希望を照合する。
- ALSの在宅療養は、医療・看護・介護・意思伝達支援・家族支援を組み合わせる。