34Q26第34回 介護福祉士国家試験 過去問

介護介護の基本

訪問介護員(ホームヘルパー)が、利用者や家族からハラスメント(harassment)を受けたときの対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

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正解: 2

正答

2.利用者から暴力を受けたので、「やめてください」と伝え、上司に相談した。

この問題のポイント

利用者や家族からの暴力、暴言、性的な言動、過度な要求を、介護従事者が職務だからと耐える必要はありません。職員の安全と尊厳を守ることは、安定して質の高いサービスを提供するためにも重要です。

被害を受けたときは、行為をやめるよう明確に伝え、安全を確保し、一人で抱え込まずに上司へ報告・相談して、事業所として対応します。

解説

介護現場のハラスメントには、殴る、蹴る、物を投げるなどの身体的暴力、怒鳴る、侮辱する、脅すなどの精神的暴力、抱きつく、身体に触れる、性的な話を繰り返すなどのセクシュアルハラスメント、契約外のサービスを威圧的に要求する行為などがあります。

ハラスメントを受けた職員は、可能であれば落ち着いて「やめてください」「その行為は受け入れられません」と明確に伝えます。危険が切迫している場合は、距離を取り、その場を離れ、同僚や警察などへ助けを求めます。利用者宅へ一人で訪問している場合は、事業所への緊急連絡方法を活用します。

その後、発生日時、場所、相手の具体的な言動、職員の対応、けがの有無、周囲の状況を客観的に記録し、管理者やサービス提供責任者へ報告します。事業所は、複数人訪問、担当変更、訪問時間の調整、契約内容の再説明、医療職との連携などを検討します。けががあれば受診し、必要な労務上の手続も行います。

認知症、精神疾患、脳の障害、痛み、環境への不安などが言動の背景にある場合は、原因をアセスメントして支援を見直します。しかし、背景を理解することは、暴力や性的言動を職員が我慢することではありません。利用者への適切な支援と職員の安全確保を両立させます。

サービス外の依頼は、怒鳴られたから実施するのではなく、できない理由と契約上の範囲を丁寧に説明し、必要な支援であれば介護支援専門員などとサービス内容を再検討します。

ひっかけポイント
「利用者だから仕方がない」「介護職だから我慢する」という考え方は適切ではありません。ハラスメントを個人の忍耐で処理すると、被害の継続や離職、サービスの質の低下につながります。

介護実践でのポイント
職員は危険を感じたら安全を最優先にします。事業所は、相談窓口、緊急連絡方法、記録様式、複数人訪問などの対策をあらかじめ整え、被害を受けた職員を責めない体制をつくります。

選択肢の確認

1.利用者に後ろから急に抱きつかれたが、黙って耐えた。
適切ではありません。
望まない身体接触はセクシュアルハラスメントに該当する可能性があります。黙って耐えず、行為をやめるよう伝え、安全を確保して上司へ報告します。

2.利用者から暴力を受けたので、「やめてください」と伝え、上司に相談した。
正答。最も適切です。
暴力を容認せず、相手に中止を求めたうえで組織へ相談しています。危険時にはその場を離れるなど安全を確保し、事業所として再発防止と支援方法を検討します。

3.利用者が繰り返す性的な話を、苦痛だが笑顔で聞いた。
適切ではありません。
苦痛を感じる性的な話を我慢して聞き続ける必要はありません。境界を明確に伝え、話題を止め、安全を確認して上司へ相談します。笑顔で応じると、相手が受け入れられたと誤解することもあります。

4.家族から暴言を受けたが、担当なのでそのまま利用者宅に通った。
適切ではありません。
担当であることを理由に被害を抱え込んではいけません。暴言の内容と危険性を報告し、複数人訪問や担当調整など、安全にサービスを継続する方法を組織で検討します。

5.家族からサービス外のことを頼まれて、断ったら怒鳴られたので実施した。
適切ではありません。
威圧によって契約外のサービスを実施すると、支援の範囲が曖昧になり、要求がさらに強まる可能性があります。安全を確保し、提供できない理由を説明して上司へ報告し、必要ならケアプランを見直します。

覚えるポイント

ハラスメントは、身体的暴力、精神的暴力、性的言動、過度な要求などを含みます。

行為をやめるよう明確に伝え、危険時はその場を離れて安全を確保します。

被害を一人で抱えず、記録して上司へ報告し、事業所として対応します。

利用者の病状や不安をアセスメントすることと、職員が被害を我慢することは別です。

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