34Q58|第34回 介護福祉士国家試験 過去問
Bさん(102歳、女性)は、介護老人福祉施設に入所している。高齢による身体機能の衰えがあり、機能低下の状態が長く続いていた。1週間前から経口摂取が困難になった。1日の大半は目を閉じ、臥床状態(がしょうじょうたい)が続いている。医師から、「老衰により死期が近い」と診断され、家族は施設で看取りたいと希望している。 死が極めて近い状態にあるBさんの看取りに必要な情報として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5.呼吸の状態
この問題のポイント
死が極めて近い時期には、呼吸の回数、深さ、規則性、努力性、無呼吸の有無などに変化が現れます。呼吸状態は、現在の身体状況と死期の接近を把握するために特に重要な情報です。
解説
Bさんは老衰によって死期が近く、経口摂取が困難で、ほぼ終日臥床して目を閉じています。この段階では、長期的な栄養状態よりも、生命の最終段階にみられる身体変化を継続して観察する必要があります。
死が近づくと、呼吸が浅くなる、呼吸の間隔が不規則になる、一時的に呼吸が止まる、下顎を動かすような呼吸になる、気道分泌物による音が聞こえるなどの変化が現れることがあります。呼吸状態を観察することは、苦痛の有無や急な状態変化を把握し、看護職や医師へ速やかに報告するためにも重要です。
体重減少や経口摂取量は、それまでの衰弱の経過を捉えるうえでは有用ですが、死が極めて近い現在の状態を直接把握する情報としては、呼吸状態より優先度が下がります。
延命治療についての本人の意思は非常に重要ですが、本来は意思を表明できる段階から繰り返し確認し、家族や医療・ケアチームで共有しておく内容です。この設問では、死が極めて近い時点で必要となる身体状態の観察情報が問われています。
ひっかけポイント
「延命治療の意思」も看取りでは重要ですが、設問は「死が極めて近い状態にあるBさん」に必要な情報を尋ねています。現在の急速な変化を捉える呼吸状態が最も適切です。
介護実践でのポイント
介護福祉職は死亡を独自に判断せず、呼吸の回数・深さ・リズム、表情、皮膚色、末梢の冷感、意識状態などを観察し、看取り計画に従って看護職や医師へ報告します。家族には、変化を落ち着いてわかりやすく伝えます。
選択肢の確認
1.体重の減少
誤りです。
体重減少は長期的な衰弱や栄養状態を把握する情報ですが、死が極めて近い時点の急な変化を直接捉える情報としては優先度が下がります。
2.夜間の睡眠時間
誤りです。
Bさんは一日の大半を目を閉じて臥床しており、睡眠時間だけでは意識状態や死期の接近を適切に把握できません。
3.延命治療の意思
誤りです。
本人の意思は看取り方針を決めるうえで重要ですが、可能な限り早い段階から確認し、医療・ケアチームで共有しておく内容です。ここでは現在の身体状態を把握する情報が問われています。
4.嚥下可能(えんげかのう)な食形態
誤りです。
経口摂取が困難で死が極めて近い状態では、無理な摂取は誤嚥や苦痛につながる可能性があります。食形態よりも呼吸状態の観察が優先されます。
5.呼吸の状態
正しいです。
呼吸の回数、深さ、リズム、無呼吸、努力性などの変化は、死期の接近や苦痛の有無を把握するための重要な情報です。
覚えるポイント
- 死が近づくと、呼吸の浅さ、不規則さ、無呼吸などがみられることがある。
- 呼吸状態は、死期の接近と苦痛の有無を把握する重要な観察項目である。
- 延命治療の意思は、本人が意思を表明できる早い段階から確認する。
- 経口摂取を無理に促さず、口腔ケアなどで安楽を支える。
- 介護福祉職は観察結果を医療職へ報告し、独自に死亡判断をしない。