34Q74|第34回 介護福祉士国家試験 過去問
老化に伴う感覚機能や認知機能の変化に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 1
正答
1.大きな声で話しかけられても、かえって聞こえにくいことがある。
この問題のポイント
加齢に伴い、聴覚では高音域の聴力や言葉を聞き分ける力が低下し、視覚では暗い場所への適応、近くに焦点を合わせる力、色を識別する力などが低下します。また、複数のことへ同時に注意を向ける力も低下しやすくなります。
解説
加齢性難聴では、高音域から聴力が低下しやすいだけでなく、言葉を聞き分ける語音明瞭度も低下します。そのため、単純に声量を上げれば必ず聞き取りやすくなるとは限りません。大きすぎる声は音が響いたり、ひずんだように感じられたりして、かえって言葉の内容を聞き取りにくくすることがあります。
視覚では、加齢による水晶体の黄変や網膜機能の変化などにより、白と黄色、青と緑などの識別が難しくなることがあります。暗所での視力や明暗への順応も低下するため、細かい作業には十分な明るさと、対象物と背景との明確なコントラストが必要です。
認知機能では、二つ以上の課題へ注意を配分する能力が低下しやすくなります。運転しながら会話することは二重課題となり、安全性を高めるのではなく、周囲への注意や反応を妨げる可能性があります。
ひっかけポイント
難聴への対応を「とにかく大声で話すこと」と覚えないようにします。加齢性難聴では音量だけでなく、言葉を聞き分ける力も低下するため、低めの声で、ゆっくり、明瞭に話すことが大切です。
介護実践でのポイント
利用者の正面から口元を見せ、騒音を減らして、普通からやや大きめの低い声で一文ずつ話します。視覚情報は十分な照明を確保し、文字を大きくして、色だけに頼らず形や表示も組み合わせます。聞こえや見え方には個人差があるため、本人に確認しながら環境を調整します。
選択肢の確認
1.大きな声で話しかけられても、かえって聞こえにくいことがある。
正しいです。
加齢性難聴では語音明瞭度が低下し、大きすぎる声が響いたりひずんだように感じられたりして、かえって言葉を聞き取りにくいことがあります。
2.会話をしながら運転するほうが、安全に運転できるようになる。
誤りです。
運転と会話を同時に行うと、二つの課題へ注意を配分する必要があります。加齢により注意配分能力が低下しやすいため、運転への集中が妨げられる可能性があります。
3.白と黄色よりも、白と赤の区別がつきにくくなる。
誤りです。
加齢による水晶体の黄変などでは、白と黄色のような色の組合せが区別しにくくなります。一般に、白と赤は白と黄色より区別しやすい組合せです。
4.低い声よりも、高い声のほうが聞き取りやすくなる。
誤りです。
加齢性難聴は高音域から低下しやすいため、高い声よりも低めの落ち着いた声のほうが聞き取りやすい傾向があります。
5.薄暗い部屋のほうが、細かい作業をしやすくなる。
誤りです。
加齢により取り込める光の量や暗い場所で見る力、近くに焦点を合わせる力が低下します。細かい作業には、まぶしさを抑えた十分な明るさが必要です。
覚えるポイント
- 加齢性難聴では、高音域から聞こえにくくなる。
- 声が大きすぎると、かえって言葉を聞き取りにくいことがある。
- 低めの声で、ゆっくり、明瞭に話す。
- 加齢により白と黄色などの色を識別しにくくなる。
- 細かい作業には、十分な照明と明確なコントラストが必要である。
- 加齢により複数の課題へ注意を配分する力が低下しやすい。