34Q75第34回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ発達と老化の理解

高齢者の睡眠に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 4

正答

4.不眠の原因の1つはメラトニン(melatonin)の減少である。

この問題のポイント

高齢者の睡眠は、若年者と比べて早寝・早起きの傾向になり、深い睡眠が減って中途覚醒が増えやすくなります。加齢に伴うメラトニン分泌量の減少は、睡眠・覚醒リズムの変化や不眠に関係する要因の一つです。

解説

メラトニンは、主に夜間に松果体から分泌され、体内時計を調整して自然な眠りを促すホルモンです。加齢に伴って夜間のメラトニン分泌量が減少すると、睡眠・覚醒リズムが乱れたり、寝つきや睡眠の維持に影響したりすることがあります。

高齢になると体内時計の位相が前進し、若い頃より早い時間に眠くなって早朝に目覚める傾向があります。また、刺激を与えても起きにくい深いノンレム睡眠は減少し、浅い睡眠と中途覚醒が増加します。

不眠症、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群など、睡眠障害の発症率は加齢に伴って上昇します。夜間頻尿、痛み、呼吸器・循環器疾患、薬剤、抑うつ、日中活動量の低下なども睡眠を妨げるため、「年齢のせい」と決めつけず原因を評価することが重要です。

ひっかけポイント

高齢者は必要な睡眠時間が若年者より短くなる傾向がありますが、「眠れなくても問題ない」という意味ではありません。本人の苦痛、日中の眠気や活動への影響、中途覚醒の原因を個別に確認します。

介護実践でのポイント

就寝・起床時刻、中途覚醒、昼寝、夜間排泄、痛み、服薬、いびき、無呼吸、起床時のだるさ、日中の眠気を観察します。日中に光を浴びて適度に活動し、生活時刻を整える支援が基本です。大きないびきや呼吸停止があれば医療職へ報告します。

選択肢の確認

1.午前中の遅い時間まで眠ることが多い。

誤りです。
加齢に伴って睡眠・覚醒リズムは前進し、一般に早寝・早起きや早朝覚醒の傾向が強くなります。午前中の遅い時間まで眠ることが多くなるとはいえません。

2.刺激を与えても起きないような深い睡眠が多い。

誤りです。
加齢に伴って深いノンレム睡眠は減少し、浅い睡眠や中途覚醒が増えます。そのため、物音や尿意などで目覚めやすくなります。

3.睡眠障害を自覚することは少ない。

誤りです。
高齢者では入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠感の欠如などの訴えがみられます。本人の訴えと日中生活への影響を確認する必要があります。

4.不眠の原因の1つはメラトニン(melatonin)の減少である。

正しいです。
メラトニンには体内時計を調整して眠りを促す働きがあります。加齢に伴う分泌量の減少は、高齢者の不眠や睡眠・覚醒リズムの変化に関係する要因の一つです。

5.高齢者の睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome)の発生頻度は、若年者よりも低い。

誤りです。
睡眠時無呼吸症候群は加齢に伴って発症しやすくなります。大きないびき、睡眠中の呼吸停止、頻回の覚醒、起床時の頭痛やだるさ、日中の強い眠気などに注意します。

覚えるポイント

  • 高齢者の睡眠は、早寝・早起きの方向へ変化しやすい。
  • 加齢により深い睡眠が減り、浅い睡眠と中途覚醒が増える。
  • メラトニンは、体内時計を調整して眠りを促す。
  • 加齢によるメラトニン分泌量の減少は、不眠の一因になる。
  • 睡眠障害は高齢者にも多く、年齢だけの問題と決めつけない。
  • 睡眠時無呼吸症候群は、若年者より高齢者で発症しやすい。

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