35Q101|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
利用者の入眠に向けた介護福祉職の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を見る
正解: 1
正答
1.「足をお湯につけて温めてから寝ましょう」
この問題のポイント
入眠を促すには、就寝前に心身を落ち着かせ、強い光や激しい運動などの覚醒を高める刺激を避けることが大切です。
この問題では、足浴、照明、呼吸、就寝前の習慣、運動のタイミングが睡眠にどのように影響するかを見分けます。
解説
就寝前の足浴は、足部を温めて末梢の血流を促し、心身をリラックスさせる方法です。身体を温めた後に末梢から熱が放散されると、眠りに入りやすい状態につながります。全身浴に比べて身体への負担が小さく、利用者の状態に合わせて取り入れやすいことも利点です。
ただし、湯温が高すぎたり、時間が長すぎたりすると、かえって覚醒や疲労、皮膚障害につながることがあります。湯温、皮膚の状態、循環状態、本人の好みを確認して行います。糖尿病や末梢循環障害、感覚低下がある人では、やけどに特に注意します。
夜間に昼光色のような青みの強い明るい光を浴びると、覚醒が高まり、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌が妨げられやすくなります。寝室では、まぶしさの少ない暖色系の照明にし、必要以上に明るくしないようにします。
呼吸によるリラックスを促す場合は、短く浅い呼吸ではなく、苦しくない範囲でゆっくりとした呼吸を行います。また、読書や音楽、歯みがきなど本人に合った就寝前の習慣は、眠りに入る合図として役立つことがあります。激しく汗をかく運動は就寝直前ではなく、日中から夕方の適切な時間帯に行います。
介護実践でのポイント
入眠の支援では、眠れないことだけを見るのではなく、日中の活動量、昼寝、痛み、排泄、服薬、室温、照明、騒音、不安などを確認します。本人の生活習慣と希望を尊重し、無理に眠らせようとしないことも大切です。
選択肢の確認
1.「足をお湯につけて温めてから寝ましょう」
正答。最も適切です。
就寝前の足浴は、足部を温めて血流と放熱を促し、心身の緊張を和らげることで入眠を助けます。湯温や時間を調整し、皮膚状態や体調を観察して行います。
2.「寝室の照明を、昼光色の蛍光灯に変えましょう」
適切ではありません。
昼光色は青みが強く、夜間には覚醒を高めやすい光です。寝室では、暖色系でまぶしさの少ない照明を用い、眠る前は明るさを落とすほうが適しています。
3.「布団に入ってから、短く浅い呼吸を繰り返しましょう」
適切ではありません。
短く浅い呼吸は、十分なリラックスにつながらず、息苦しさや不安を強めることがあります。呼吸法を用いるなら、本人が苦しくない範囲で、ゆっくりと穏やかな呼吸を促します。
4.「入眠への習慣は控えましょう」
適切ではありません。
本人に合った一定の就寝前の習慣は、心身を休息へ切り替える合図になります。刺激の強い活動は避けますが、落ち着ける習慣そのものを一律に控える必要はありません。
5.「寝る前に、汗をかく運動をしましょう」
適切ではありません。
就寝直前の激しい運動は、体温や交感神経活動を高めて寝つきを悪くすることがあります。運動は日中から夕方に、本人の体力に合った強さで行うのが基本です。
覚えるポイント
入眠支援の基本は、就寝前に心身を落ち着かせ、強い光、激しい運動、カフェインなどの覚醒刺激を避けることです。
足浴やぬるめの入浴は、利用者の体調と好みに合えば、リラックスと入眠を助けます。
就寝前の習慣は一律にやめるのではなく、本人が安心して続けられる内容に整えます。