35Q14|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
「障害者総合支援法」の居宅介護を利用したときの利用者負担の考え方として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。 (注)「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
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正解: 2
正答
2.利用者の負担能力に応じて負担する。
この問題のポイント
障害福祉サービスの利用者負担は、サービス費用の一部を負担する仕組みをもちながら、所得に応じた月ごとの負担上限額を設けています。制度の基本的な考え方は、負担できる能力に配慮する「応能負担」です。
解説
「障害者総合支援法」に基づく居宅介護は、障害のある人の自宅を訪問し、入浴、排泄、食事などの介護や、調理、洗濯、掃除などの家事、生活に関する相談や助言などを行う障害福祉サービスです。
障害福祉サービスの利用者負担は、原則としてサービス費用の1割を計算の基礎とします。しかし、実際にひと月に負担する額には、本人や世帯の所得に応じた負担上限月額が設定されています。生活保護受給世帯や市町村民税非課税世帯では、負担上限月額が0円となります。
利用したサービス量が増えて、1割相当額が所得区分ごとの負担上限月額を超えても、原則としてそれ以上の負担は生じません。このように、最終的な負担が利用者の所得や負担能力に配慮されるため、制度の基本的な考え方は「応能負担」です。
「原則1割」という計算方法だけを見ると、一定割合を負担する選択肢3を選びやすくなります。しかし、本問は金額の計算方法ではなく、「利用者負担の考え方」を尋ねています。所得に応じた月額上限がある点を踏まえ、選択肢2を選びます。
ひっかけポイント
「原則1割」と「応能負担」は矛盾しません。サービス費用の1割を基礎に計算しますが、所得に応じた負担上限月額が設けられています。本問では、制度全体の負担原則である応能負担を答えます。
介護実践でのポイント
介護福祉職は、利用者の受給者証に記載された負担上限月額やサービス内容を確認し、利用者が費用への不安から必要なサービスを控えていないかにも注意します。実際の負担額、高額障害福祉サービス等給付費、利用者負担上限額管理などについては、市町村、相談支援専門員、サービス提供責任者と連携し、利用者にわかりやすく説明します。
選択肢の確認
1.利用したサービスの種類や量に応じて負担する。
誤りです。
サービスの種類や利用量は費用計算に関係しますが、それだけで最終的な利用者負担を決める仕組みではありません。所得に応じた負担上限月額が設けられています。
2.利用者の負担能力に応じて負担する。
正しいです。
障害福祉サービスには所得区分に応じた月ごとの負担上限額が設定されており、利用者の負担能力に配慮する応能負担の考え方が採られています。
3.利用したサービス費用の一定の割合を負担する。
誤りです。
原則1割という定率負担の計算は行いますが、所得に応じた月額上限があるため、一定割合だけで最終負担が決まるわけではありません。本問が問う基本的な考え方は応能負担です。
4.利用したサービス費用の全額を負担する。
誤りです。
支給決定された障害福祉サービスについて、利用者がサービス費用の全額を負担する仕組みではありません。公費による給付と所得に応じた利用者負担があります。
5.利用者は負担しない。
誤りです。
生活保護受給世帯や市町村民税非課税世帯など、負担上限月額が0円になる場合はありますが、すべての利用者が一律に負担しないわけではありません。
覚えるポイント
- 障害福祉サービスの利用者負担は、応能負担を基本とする。
- サービス費用の原則1割を計算の基礎とする。
- 所得に応じて月ごとの負担上限額が設定される。
- 1割相当額が月額上限を超えた場合は、原則として上限額までを負担する。
- 生活保護受給世帯や市町村民税非課税世帯の負担上限月額は0円である。
- 実際の負担額は、受給者証を確認して関係機関と連携する。