35Q62|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
胃ろうによる経管栄養での生活上の留意点の説明として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
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正解: 4
正答
4.「口から食べなくても口腔ケアは必要です」
この問題のポイント
胃ろうによる経管栄養を行っていても、口腔内には唾液、細菌、舌苔、剥がれた粘膜などがたまります。口から食べていないことは、口腔ケアが不要になる理由にはなりません。
この問題では、胃ろうのある人にも必要な日常生活上のケアと、胃ろうを理由にした一律の生活制限を区別します。
解説
胃ろうは、腹部から胃へ通したチューブを用いて、栄養剤や水分を注入する方法です。経口摂取をしていない場合でも、口腔内では唾液が分泌され、細菌や汚れが増えます。口腔乾燥、口臭、歯周病、粘膜の傷などを防ぎ、口腔内の細菌を減らすために、継続した口腔ケアが必要です。
口腔ケアでは、歯、歯肉、舌、頬の内側、口蓋、義歯などを観察し、本人の状態に合った方法で清潔を保ちます。口腔内の細菌を含む唾液を誤嚥することもあるため、口腔ケアは誤嚥性肺炎の予防という点でも重要です。
胃ろうがあることだけを理由に、日中をベッド上で過ごす必要はありません。全身状態に応じて離床や活動を支え、本人の生活の質と廃用症候群の予防につなげます。入浴も一律に清拭へ変更するのではなく、胃ろう部の状態、全身状態、医療職の指示を確認して安全に行います。
栄養剤の注入中と注入後は、逆流や誤嚥を予防するため、指示された時間、上半身を起こした姿勢を保ちます。しかし、夜間の睡眠中まで常に上半身を起こすと一律に決めるものではありません。睡眠時の姿勢は、逆流の有無、呼吸状態、本人の安楽、医療職の指示に合わせて調整します。
また、経管栄養でも便秘は起こります。水分量、栄養剤の内容、活動量、薬剤、排便習慣などが影響するため、排便回数、便の性状、腹部膨満などを観察します。
ひっかけポイント
「口から食べないので口を使わない」と考えないことが大切です。経口摂取がなくても口腔内の細菌や汚れは増えるため、口腔ケアを継続します。
選択肢の確認
1.「日中は,ベッド上で過ごします」
適切ではありません。
胃ろうがあることだけを理由に日中の生活をベッド上へ限定しません。本人の体調と希望に合わせて離床や活動を支援します。
2.「夜寝るときは,上半身を起こした姿勢で寝ます」
適切ではありません。
注入中と注入後は上半身を起こしますが、夜間の睡眠姿勢を一律に固定するものではありません。本人の状態と医療職の指示に合わせます。
3.「便秘の心配はなくなります」
適切ではありません。
経管栄養でも、水分不足、栄養剤の内容、活動量の低下、薬剤などによって便秘が起こります。排便状況の観察が必要です。
4.「口から食べなくても口腔ケアは必要です」
正答。最も適切です。
経口摂取がなくても口腔内には細菌や汚れがたまります。清潔保持、乾燥や口臭の予防、口腔内の感染や誤嚥性肺炎の予防のために口腔ケアを行います。
5.「入浴は清拭に変更します」
適切ではありません。
胃ろうがあるからといって、必ず清拭へ変更する必要はありません。胃ろう部と全身状態を確認し、本人の希望と医療職の指示に基づいて入浴します。
覚えるポイント
胃ろうによる経管栄養中も、口腔ケアは必要です。
胃ろうがあっても、活動や入浴を一律に制限しません。
注入中・注入後の体位と、夜間の睡眠姿勢を混同しないようにします。
口腔、胃ろう周囲、排便、逆流・誤嚥の有無を継続して観察します。