35Q64第35回 介護福祉士国家試験 過去問

介護介護の基本

利用者主体の考えに基づいた訪問介護員(ホームヘルパー)の対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

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正解: 3

正答

3.煮物を調理するとき,利用者に好みの切り方を確認してもらった。

この問題のポイント

利用者主体の介護とは、介護者が「安全だから」「効率がよいから」と一方的に生活を決めることではありません。利用者の好み、生活習慣、できること、希望を確認し、本人が選び、参加できるように支援します。

この問題では、訪問介護員の都合ではなく、利用者の自己決定とその人らしい生活を中心に考えられている対応を選びます。

解説

訪問介護の場は、利用者が生活してきた自宅です。家具や道具の置き場所、換気の方法、料理の味や切り方、買物の内容には、その人の生活習慣や価値観が表れています。訪問介護員は、安全性を確認しながらも、本人の意思を聞かずに生活を変更してはいけません。

煮物の食材の切り方を利用者に確認することは、本人の好みを尊重するだけでなく、食べやすさ、調理習慣、家族との思い出などを知る機会にもなります。本人ができる部分は本人に行ってもらい、難しい部分だけを支援することで、自立支援につながります。

認知症があることだけを理由に包丁の使用を一律に禁止したり、糖尿病があることだけを理由に菓子の購入を拒否したりすることは、本人の意思を無視した過剰な制限になり得ます。実際の能力、危険性、医療上の方針、本人の理解と希望を確認し、必要に応じて見守り、道具の工夫、医療職や介護支援専門員等との連携を行います。

窓や掃除機の位置を訪問介護員の判断や使いやすさだけで決めると、利用者の寒さ、羞恥心、防犯、転倒リスク、日常の動線などを見落とす可能性があります。変更が必要な場合は、理由を説明し、本人と相談して決めます。

介護実践でのポイント
「本人に確認する」「本人が選ぶ」「できることを生かす」「必要な部分だけ支援する」が利用者主体の基本です。安全への配慮も、本人への説明と話し合いを通じて進めます。

選択肢の確認

1.トイレの窓は換気が必要であると判断し,開けたままにしておいた。
適切ではありません。
換気が必要でも、寒さ、雨、防犯、外からの視線などを考慮し、利用者に確認して方法を決めます。訪問介護員の判断だけで開けたままにしません。

2.認知症(dementia)の人が包丁を持つのは危険だと判断し,訪問介護員(ホームヘルパー)が調理した。
適切ではありません。
認知症という診断だけで能力を決めつけています。本人の調理能力と希望を確認し、見守り、使いやすい道具、作業工程の工夫などで安全に参加できないか検討します。

3.煮物を調理するとき,利用者に好みの切り方を確認してもらった。
正答。最も適切です。
利用者の好みと生活習慣を尊重し、本人の意思を介護に反映しています。本人が調理へ参加できる部分を生かすことにもつながります。

4.糖尿病(diabetes mellitus)のある利用者には,買い物代行で菓子の購入はしないことにした。
適切ではありません。
訪問介護員が本人の意思を確認せず購入を拒否することは適切ではありません。食事療法の方針を確認し、本人にわかりやすく情報を伝え、希望を聴き、必要に応じて医療職や介護支援専門員等と連携します。

5.次回の掃除のために,訪問介護員(ホームヘルパー)が使いやすい場所に掃除機を置いた。
適切ではありません。
掃除機の置き場所は、利用者の生活動線、安全性、本人の使いやすさを基準に相談して決めます。訪問介護員の都合だけで変更しません。

覚えるポイント

訪問介護の中心は、利用者の生活と意思です。

病名だけで「できない」「危険」と決めつけません。

安全上の課題があっても、説明、相談、環境調整、見守りで本人の参加を支えます。

介護者の効率より、本人の尊厳、選択、生活習慣を優先します。

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