35Q73|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
利用者の危険を回避するための介護福祉職の対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
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正解: 3
正答
3.食事介助をしていた利用者の姿勢が傾いてきたので,姿勢を直した。
この問題のポイント
危険の回避では、危険を見つけるだけでなく、事故が起こる前に具体的な行動で危険要因を取り除くことが重要です。
食事中の安定した座位は、身体のずり落ちや転落を防ぐだけでなく、安全な咀嚼・嚥下にも必要です。
解説
食事中に身体が左右へ傾くと、姿勢が不安定になり、車いすやいすからのずり落ち・転落の危険が高まります。また、頭頸部と体幹の位置が崩れることで、飲み込みにくさや誤嚥・窒息の危険も高まります。
そのため、いったん食事介助を止め、利用者に声をかけて、頭部・体幹・骨盤・足部が安定するよう姿勢を整える対応が適切です。姿勢を直した後は、疲労、体調不良、座位保持能力の低下、いすや車いすの不適合など、傾いた原因も確認します。
ひっかけポイント
「見守り」も介護方法の一つですが、すでに転倒・転落につながる具体的な危険が迫っている場面では、見ているだけでは不十分です。この問題では、危険を認識した後に、事故を防ぐための直接的な対応を行っている選択肢を選びます。
介護実践でのポイント
危険を見つけたときは、「動きを止めるよう声をかける」「身体を安全に支える」「車いすのブレーキやフットサポートを確認する」「床や履物を整える」など、その場に応じた具体的な対応を行います。事故を防ぐためであっても一方的に身体を動かさず、可能な限り本人へ説明し、残っている能力と意思を尊重します。
選択肢の確認
1.スプーンを拾おうとして前傾姿勢になった車いすの利用者を,目視で確認した。
誤りです。 車いす上で深く前傾すると、前方へ転落したりバランスを崩したりする危険があります。目視するだけでなく、利用者に動きを止めるよう声をかけ、身体を支えたうえで介護福祉職がスプーンを拾うなどの対応が必要です。
2.廊下をふらつきながら歩いていた利用者の横を,黙って通り過ぎた。
誤りです。 ふらつきは転倒の切迫した危険を示しています。声をかけて安全に身体を支え、必要に応じていすへ誘導し、体調や歩行補助具の状態などを確認します。
3.食事介助をしていた利用者の姿勢が傾いてきたので,姿勢を直した。
正しいです。 不安定な姿勢を整えることは、ずり落ち・転落だけでなく、誤嚥や窒息の予防にもつながる具体的な危険回避行動です。
4.下肢筋力が低下している利用者が,靴下で歩いていたので,スリッパを履いてもらった。
誤りです。 靴下は床面で滑る危険がありますが、スリッパも足に固定されず、脱げたりつまずいたりしやすいため適切ではありません。足に合い、かかとが固定され、床との関係を考慮した滑りにくい履物を選びます。
5.車いすの利用者が,フットサポートを下げたまま立ち上がろうとしたので,またいでもらった。
誤りです。 フットサポートをまたぐと足が引っかかり、転倒する危険があります。車いすのブレーキをかけ、フットサポートを上げるか外側へ開き、両足を安全な位置に置いてから立ち上がります。
覚えるポイント
危険回避は、「危険を発見する → 直ちに安全を確保する → 原因を確認する → 再発予防につなげる」という流れで考えます。