35Q82第35回 介護福祉士国家試験 過去問

介護生活支援技術

介護予防教室で介護福祉職が行う安定した歩行に関する助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 4

正答

4.「後ろ足のつま先で地面を蹴って踏み出しましょう」

この問題のポイント

安定した歩行では、後ろ足で地面を押して身体を前へ運び、前に出した足は踵から接地します。視線や腕の振りも、姿勢とバランスの保持に関係します。

この問題では、すり足や小刻み歩行を助長する助言ではなく、自然な歩行周期を支える助言を選びます。

解説

歩行は、片方の足で体重を支えながら、反対側の足を前へ運ぶ動作の繰り返しです。後ろ足の踵が上がり、つま先で地面を押す「蹴り出し」が行われると、身体を前方へ進めやすくなります。

歩幅を必要以上に狭くすると、小刻みな歩行やすり足になりやすく、わずかな段差にもつまずきやすくなります。腕の自然な振りは、体幹の回旋との釣り合いをとり、歩行の安定に役立ちます。

視線を足元だけに固定すると、頭部と体幹が前に傾きやすく、前方の障害物や周囲の状況も確認しにくくなります。進行方向を見ながら、必要な場面では足元も確認します。前に出した足は一般に踵から接地し、その後に足底へ体重を移します。

ただし、疼痛、関節可動域、麻痺、パーキンソン病、感覚障害などによって適切な歩き方は異なります。介護予防の場でも、無理に大きく蹴らせるのではなく、本人が安全に行える範囲で助言します。

介護実践でのポイント
歩行を助言するときは、速度だけでなく、視線、姿勢、歩幅、足の接地、腕の振り、履物、疲労を観察します。ふらつきや痛みがある場合は、理学療法士などと連携して個別に評価します。

選択肢の確認

1.「歩幅を狭くしましょう」
適切ではありません。
歩幅を必要以上に狭くすると、小刻み歩行やすり足になり、つまずきやすくなります。本人の身体機能に合った無理のない歩幅を保つことが大切です。

2.「腕の振りを小さくしましょう」
適切ではありません。
腕の自然な振りは、体幹の回旋とのバランスをとり、歩行を安定させます。一律に小さくするのではなく、肩の痛みなどがなければ自然に振れるようにします。

3.「足元を見ながら歩きましょう」
適切ではありません。
足元だけを見続けると、体幹が前に傾き、前方の障害物や人の動きを確認しにくくなります。基本は進行方向を見て、段差など必要な場面で足元を確認します。

4.「後ろ足のつま先で地面を蹴って踏み出しましょう」
正答。最も適切です。
後ろ足のつま先で地面を押す蹴り出しによって、身体を前へ運びやすくなり、次の一歩につながります。本人が安全に行える範囲で、自然な蹴り出しを促します。

5.「つま先から足をつきましょう」
適切ではありません。
通常の歩行では、前に出した足は踵から接地し、足底、つま先へと体重を移します。つま先から接地すると、つまずきや不安定さにつながることがあります。

覚えるポイント

安定した歩行の流れは、「後ろ足で蹴り出す、前の足を踵からつく、体重を前へ移す」です。

自然な腕の振りと前方への視線は、歩行のバランスを支えます。

助言は一律に行わず、痛み、麻痺、疾患、疲労、履物、歩行補助具を確認します。

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