35Q83|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
T字杖{じつえ}を用いて歩行する左片麻痺{ひだりかたまひ}の利用者が、20cm幅の溝をまたぐときの介護方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5.またいだ後は、両足をそろえてもらう。
この問題のポイント
左片麻痺の人がT字杖を使う場合、杖は原則として非麻痺側である右手に持ちます。溝をまたぐときは、杖を溝の向こう側へ置き、麻痺側の左足、非麻痺側の右足の順に進みます。
この問題では、杖を置く位置、足を出す順序、視線、またいだ後の安定を確認します。
解説
T字杖は、非麻痺側の手で持つと、麻痺側下肢にかかる荷重を補いながら身体を支えやすくなります。左片麻痺であれば、杖は右手に持ちます。
20 cm幅の溝をまたぐときは、まず立ち止まり、溝の幅と向こう側の足場を確認します。杖を溝の手前に残すのではなく、溝の向こう側の安定した場所へ突きます。次に麻痺側の左足を越えさせ、最後に非麻痺側の右足を進めます。
非麻痺側の右足を先に出すと、右足が空中にある間、麻痺側の左足で体重を十分に支えなければならず、不安定になります。溝をまたいだ直後も重心が大きく動いているため、いったん両足をそろえて姿勢を安定させてから歩行を再開します。
視線は遠方へ固定するのではなく、溝の位置、杖を置く場所、着地する場所を確認できるようにします。介護福祉職は、本人の残存機能を生かしながら、必要に応じて麻痺側のやや後方から転倒に備えます。
ひっかけポイント
片麻痺の杖歩行は「杖、麻痺側、非麻痺側」が基本です。溝を越えるときも、非麻痺側の足から先に出すのではありません。
選択肢の確認
1.杖{つえ}は、左手に持ちかえてもらう。
適切ではありません。
左片麻痺では左上肢も安定して使いにくい可能性があります。T字杖は原則として非麻痺側である右手に持ち、麻痺側下肢を補助します。
2.杖{つえ}は、溝の手前に突いてもらう。
適切ではありません。
杖を手前に残すと、身体が溝を越えるときの支えとして使いにくくなります。杖は溝の向こう側の滑らない安定した場所へ置きます。
3.溝は、右足からまたいでもらう。
適切ではありません。
右足は非麻痺側です。右足から出すと、麻痺側の左足だけで身体を支える時間が生じ、不安定になります。杖、左足、右足の順に進みます。
4.遠い方向を見てもらう。
適切ではありません。
遠方だけを見ていると、溝の幅、杖を置く位置、着地場所を確認できません。身体を過度に前屈させない範囲で、足元と向こう側の安全を確認します。
5.またいだ後は、両足をそろえてもらう。
正答。最も適切です。
溝をまたぐ動作では重心が大きく移動します。越えた後に両足をそろえていったん姿勢を安定させることで、次の歩行を安全に開始できます。
覚えるポイント
左片麻痺では、T字杖は右手に持ちます。
溝を越える順序は、「杖を向こう側へ、左の麻痺側、右の非麻痺側」です。
大きな段差や溝を越えた後は、いったん両足をそろえて安定を確認します。