35Q97|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
ノロウイルス(Norovirus)による感染症の予防のための介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3.マスクと手袋を着用して、嘔吐物{おうとぶつ}を処理する。
この問題のポイント
ノロウイルスは感染力が強く、感染者の嘔吐物や便には大量のウイルスが含まれます。処理する人自身への感染と、周囲への拡散を防ぐため、個人防護具を着用して速やかに処理することが重要です。
解説
ノロウイルスは、汚染された食品を介するほか、感染者の便や嘔吐物に触れた手、汚染された環境、嘔吐時に生じる飛沫などを介して広がります。
嘔吐物を処理するときは、使い捨ての手袋とマスクを着用し、施設の手順に従って使い捨てエプロンやガウンも使用します。ほかの利用者をその場から離し、換気を行いながら、ペーパータオルなどで飛散させないよう静かに拭き取ります。その後、次亜塩素酸ナトリウムなどを適切な濃度で使用して消毒します。
嘔吐物は乾燥すると細かい粒子となって舞い上がり、感染が広がる可能性があります。そのため、乾燥を待たずに速やかに処理します。汚染されたおそれのある食品は中心部を85〜90℃で90秒以上加熱し、汚染リネンは付着物を静かに除去してほかの物と分け、熱水洗濯や塩素系消毒剤による処理を行います。
ひっかけポイント
選択肢3は「マスクと手袋」のみを挙げていますが、実際の現場では使い捨てエプロンやガウンなども使用します。選択肢のなかでは、個人防護具を着用して嘔吐物を処理するという基本が示された3が最も適切です。
介護実践でのポイント
嘔吐が発生したら、その場を離れずに応援を求め、ほかの利用者を近づけないようにします。施設の感染対策手順に従い、自己判断で消毒薬の種類や濃度を変更しません。処理後は防護具の外側に触れないように外し、石けんと流水で丁寧に手を洗い、看護職や管理者へ報告します。
選択肢の確認
1.食品は、中心部温度50℃で1分間加熱する。
誤りです。 50℃で1分間では、ノロウイルスを十分に失活させることができません。汚染のおそれがある食品は、中心部を85〜90℃で90秒以上加熱することが望まれます。
2.嘔吐物{おうとぶつ}は、乾燥後に処理をする。
誤りです。 嘔吐物は乾燥すると粒子が空気中に舞い上がり、感染を広げるおそれがあります。乾燥を待たず、飛散させないように速やかに処理します。
3.マスクと手袋を着用して、嘔吐物{おうとぶつ}を処理する。
正しいです。 マスクと使い捨て手袋を着用することで、嘔吐物への直接接触や飛沫による感染を防ぎます。実践では使い捨てエプロンやガウンも着用します。
4.手すりの消毒は、エタノール消毒液を使用する。
誤りです。 ノロウイルスによる環境汚染には、通常のエタノール消毒だけに頼らず、次亜塩素酸ナトリウムや加熱など、ノロウイルスに有効な方法を用います。
5.嘔吐物{おうとぶつ}のついたシーツは、洗濯機で水洗いする。
誤りです。 そのまま洗濯機に入れると、洗濯機やほかの洗濯物を汚染するおそれがあります。付着物を静かに除去し、ほかの物と分けて、熱水洗濯や塩素系消毒剤による処理を行います。
覚えるポイント
- 嘔吐物は乾燥を待たず、速やかに静かに処理する。
- 処理時は、手袋、マスク、エプロンやガウンを着用する。
- 汚染食品の加熱は、中心部85〜90℃で90秒以上が目安である。
- 環境消毒では、ノロウイルスに有効な塩素系消毒剤などを用いる。
- 処理後は、石けんと流水による手洗いを行う。