36Q103|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
デスカンファレンス(death conference)の目的に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 4
正答
4.亡くなった利用者の事例を振り返り、今後の介護に活用する。
この問題のポイント
デスカンファレンスは、利用者が亡くなった後に、関わった職員や多職種で看取りの経過と支援を振り返る場です。
良かった支援と改善すべき点を整理し、得られた学びを今後の看取りや介護の質の向上に活用します。職員の責任を追及する場でも、全員の死生観を同じにする場でもありません。
解説
デスカンファレンスでは、亡くなった利用者に行った介護や医療、本人・家族への説明、本人の意向の尊重、苦痛への対応、多職種連携などを事実に基づいて振り返ります。そして、適切にできたこと、十分でなかったこと、次の支援で生かすことをチームで共有します。
看取りに関わった職員は、「もっとできることがあったのではないか」という後悔や無力感を抱くことがあります。そのため、デスカンファレンスには、職員が感情を表出して互いの経験を共有し、心理的な負担を整理するという意義もあります。
ただし、個人を責める反省会にしてはいけません。利用者と家族の尊厳やプライバシーを守り、今後のケアをより良くするという目的を参加者で共有して行います。
ひっかけポイント
選択肢2の「終末期を迎えている利用者の介護について検討する」は、利用者が存命中に行う通常のケアカンファレンスです。デスカンファレンスは、利用者が亡くなった後に事例を振り返る点が決定的な違いです。
介護実践でのポイント
本人の意向を尊重できたか、苦痛や不安を軽減できたか、家族への支援は適切だったか、多職種間の情報共有は十分だったかを確認します。良かった点も具体的に共有し、改善点は「誰が悪かったか」ではなく「次回どのように改善するか」という行動につなげます。
選択肢の確認
1.一般的な死の受容過程を学習する。
誤りです。
死の受容過程を学ぶことは、看取りに関する研修の一内容です。デスカンファレンスの中心的な目的は、一般論を学ぶことではなく、実際に亡くなった利用者への支援を振り返ることです。
2.終末期を迎えている利用者の介護について検討する。
誤りです。
存命中の利用者について今後の介護を検討するのは、通常のケアカンファレンスです。デスカンファレンスは、利用者が亡くなった後に行います。
3.利用者の家族に対して、死が近づいたときの身体の変化を説明する。
誤りです。
死が近づいたときの身体変化を家族へ説明することは、看取り期に必要な家族支援です。しかし、亡くなった利用者への支援を振り返るデスカンファレンスの目的そのものではありません。
4.亡くなった利用者の事例を振り返り、今後の介護に活用する。
正しいです。
デスカンファレンスは、亡くなった利用者への支援を多職種で振り返り、良かった点や改善点を共有して、今後の介護や看取りの質の向上に活用することを目的とします。
5.終末期の介護に必要な死生観を統一する。
誤りです。
死生観は個人の人生経験、文化、宗教、価値観などによって異なります。職員の死生観を一つに統一するのではなく、互いの違いを尊重しながら、利用者本人の価値観を中心に支援することが大切です。
覚えるポイント
- デスカンファレンスは、利用者が亡くなった後に行う。
- 実施した看取りや介護を事実に基づいて振り返る。
- 良かった点と改善点を整理し、今後のケアへ活用する。
- 個人の責任を追及する反省会にしない。
- 多職種の視点を共有し、チームケアの質を高める。
- 看取りに関わった職員の感情共有や心理的支援にもつながる。
- 死生観を統一せず、利用者と家族、職員それぞれの価値観を尊重する。