36Q106|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
介護福祉職が、初回の面談で情報を収集するときの留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 2
正答
2.目的を意識しながら話を聴く。
この問題のポイント
初回面談での情報収集は、質問項目を機械的に埋める作業ではありません。何のために情報を集めるのかを意識しながら、本人の語りを尊重して聴き、生活全体の理解と介護過程の展開につなげます。
解説
介護過程における情報収集は、利用者の生活上の課題だけでなく、希望、価値観、生活歴、習慣、できること、強み、心身の状態、家族や地域との関係、住環境などを理解するために行います。
特に初回の面談では、利用者が不安や緊張を感じていることがあります。介護福祉職は、自己紹介と面談の目的をわかりやすく説明し、本人の同意を得たうえで、安心して話せる環境を整えます。
「目的を意識しながら話を聴く」とは、介護福祉職が答えを誘導したり、聞きたい項目だけを一方的に質問したりすることではありません。生活全体を理解し、本人に必要な支援を考えるという目的を保ちながら、本人の言葉を傾聴し、話の流れに応じて必要な内容を丁寧に確認することです。
最初は答えを限定しない開かれた質問を用いて本人が自由に話せるようにし、その後、必要に応じて具体的な質問で内容を確認します。面談の最後には、聴き取った内容を要約して本人に返し、理解に誤りがないかを確かめます。
ひっかけポイント
「目的を意識する」ことと、「用意した項目を順番に質問する」ことは異なります。目的は情報収集の方向を保つために必要ですが、面談は本人との対話であり、質問票を埋めることだけが目的ではありません。
介護実践でのポイント
初回面談では、周囲に会話が聞こえない場所を選び、本人の体調、疲労、聴力、視力、理解しやすい伝達方法に配慮します。本人の話を途中で遮らず、沈黙を急いで埋めず、表情や声の調子などの非言語的情報にも注意します。経済状態などの私的で慎重な情報は、必要性と利用目的を説明し、信頼関係に配慮しながら確認します。
選択肢の確認
1.用意した項目を次から次に質問する。
誤りです。
質問を機械的に続けると、本人が自分の思いや生活を十分に語れず、尋問されているように感じることがあります。質問項目は確認のために活用しつつ、本人の話の流れとペースを尊重します。
2.目的を意識しながら話を聴く。
正しいです。
本人の生活全体を理解し、個別性のある支援につなげるという目的を意識しながら、本人の言葉を傾聴して必要な情報を収集することが適切です。
3.ほかの利用者が同席する状況で質問する。
誤りです。
ほかの利用者が同席すると、本人が話しにくくなるだけでなく、個人情報やプライバシーが守られません。本人が安心して話せる個別の環境を整えます。
4.最初に経済状態に関する質問をする。
誤りです。
経済状態は支援を考えるうえで必要になることがありますが、非常に私的な情報です。初回面談の最初から唐突に尋ねるのではなく、面談の目的を説明して信頼関係を築き、必要性を伝えたうえで確認します。
5.家族の要望を中心に話を聴く。
誤りです。
家族からの情報や要望も参考になりますが、支援の中心は利用者本人です。まず本人の希望、思い、生活上の困りごとを確認し、家族の意向と区別して整理します。
覚えるポイント
- 情報収集は、利用者の全体像を理解し、個別支援につなげるために行う。
- 初回面談では、目的を説明し、同意と安心できる環境を確保する。
- 質問項目を機械的に聞くのではなく、本人の語りとペースを尊重する。
- 本人の希望、価値観、生活歴、強みも重要な情報である。
- 個人情報とプライバシーを守る。
- 家族の意向だけでなく、利用者本人の意思を中心に確認する。
- 聴き取った内容は要約して本人に返し、認識に誤りがないかを確認する。