36Q64|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
介護を取り巻く状況に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5.家族が担っていた介護の役割は、家族機能の低下によって社会で代替する必要が生じた。
この問題のポイント
家族構成や生活様式の変化と、介護を家族だけでなく社会全体で支えるようになった背景を理解する問題です。
高齢化による介護ニーズの増加に加えて、核家族化、世帯人数の減少、一人暮らし高齢者の増加、介護者の高齢化、就労との両立などにより、家族だけで介護を担い続けることが難しくなりました。このため、介護保険制度や各種サービスによって、介護を社会全体で支える仕組みが整えられました。
解説
かつては、介護を家族の役割としてとらえる傾向が強くありました。しかし、家族の人数や形、働き方、居住地、価値観は多様化しています。高齢者のみの世帯や一人暮らし世帯も増え、介護を担う家族自身が高齢である場合や、子育て・仕事・病気など複数の課題を抱えている場合もあります。
このような変化から、家族だけに介護責任を集中させるのではなく、介護保険、障害福祉、医療、自治体、地域住民、民間事業者などが役割を分担し、本人と家族の生活を支える必要があります。これは「家族を介護から排除する」という意味ではなく、本人の希望と家族の意思・負担を確認しながら、必要な社会資源を組み合わせるという考え方です。
ダブルケアとは、狭い意味では、子育てと親などの介護を同じ時期に担う状態をいいます。夫婦が協力して子育てをすることだけを指す言葉ではありません。
介護保険制度の導入後、要介護・要支援認定者数は全体として増加してきました。また、核家族化などを背景に、要介護者等がいる三世代世帯の割合が年々増加したとはいえません。
「家制度」は、家長を中心に家族関係を組み立てる旧来の民法上の制度で、戦後の民法改正によって廃止されました。地域包括ケアシステムが廃止したものではありません。
ひっかけポイント
「家族機能の低下」は、特定の家族を責める表現ではありません。世帯の小規模化、遠距離居住、介護者の高齢化、就労など、社会構造の変化によって家族だけでは担いにくくなったことを示します。
介護実践でのポイント
家族がいることだけを理由に介護を任せず、本人の希望、家族の健康、仕事、育児、経済状況、関係性、介護技術、利用できる社会資源を確認します。家族支援も利用者支援の一部です。
選択肢の確認
1.ダブルケアとは、夫婦が助け合って子育てをすることである。
誤り。
ダブルケアは、代表的には子育てと介護を同時期に担う状態をいいます。夫婦が協力して子育てをすることだけを指しません。
2.要介護・要支援の認定者数は、介護保険制度の導入時から年々減少している。
誤り。
高齢化の進展などを背景として、要介護・要支援認定者数は制度開始時と比べて全体として増加しています。
3.家族介護を支えていた家制度は、地域包括ケアシステムによって廃止された。
誤り。
家制度は戦後の民法改正によって廃止されました。地域包括ケアシステムは、医療、介護、予防、住まい、生活支援を地域で一体的に支える考え方です。
4.要介護・要支援の認定者のいる三世代世帯の構成割合は、介護保険制度の導入時から年々増加している。
誤り。
核家族化や世帯の小規模化が進んでおり、三世代世帯の構成割合が年々増加しているとはいえません。
5.家族が担っていた介護の役割は、家族機能の低下によって社会で代替する必要が生じた。
正答。最も適切です。
家族を取り巻く状況の変化により、家族だけで介護を担うことが難しくなり、介護保険制度などを通して社会全体で支える必要が生じました。
覚えるポイント
ダブルケアは、代表的には子育てと介護を同時に担う状態です。
要介護・要支援認定者数は、介護保険制度開始時より全体として増加しています。
家制度は、地域包括ケアシステムではなく、戦後の民法改正で廃止されました。
核家族化や介護者の高齢化などにより、介護を家族だけで支えることは難しくなっています。
介護保険は、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みです。