36Q83第36回 介護福祉士国家試験 過去問

介護生活支援技術

仰臥位{ぎょうがい}(背臥位{はいがい})から半座位(ファーラー位)にするとき、ギャッチベッドの背上げを行う前の介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

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正解: 2

正答

2.臀部{でんぶ}をベッド中央部の曲がる部分に合わせる。

この問題のポイント

設問は、ギャッチベッドの背上げを行う「前」の介護を問うています。

背上げ前に、利用者の臀部・股関節付近をベッドの曲がる位置に合わせると、ベッドと身体が自然に屈曲しやすくなります。身体のずり下がり、皮膚のずれ、腹部の圧迫、姿勢の崩れを減らせるため、選択肢2が最も適切です。

解説

半座位(ファーラー位)は、仰臥位から上半身をおおむね45度程度起こした体位です。呼吸を楽にする、食事や経管栄養を行う、ベッド上で活動するなどの場面で用いられます。

ギャッチベッドの背上げでは、ベッドの背部が決められた位置で曲がります。利用者の臀部・股関節付近とベッドの曲がる位置がずれていると、身体がベッドの動きに合わず、前方へずり下がったり、背部や仙骨部の皮膚に摩擦・ずれが生じたり、腹部や胸部が圧迫されたりします。

そのため、背上げを始める前に、利用者へ説明して同意を得たうえで、臀部をベッド中央部の曲がる部分に合わせます。ベッドのブレーキ、手足の位置、サイドレール、点滴やカテーテルなどのチューブ類も確認し、ゆっくり背上げを行います。

背部の圧抜きは必要な介護ですが、背上げによって新たに生じた圧迫や衣服のしわを取り除くため、基本的には背上げ後に行います。上半身を一度マットレスから離す、衣服や寝具のしわを整える、クッションで姿勢を支えるなどして安楽な体位にします。

ひっかけポイント
選択肢1の「背部の圧抜き」は適切な介護技術ですが、問われているのは背上げ前の対応です。圧抜きは、背上げによって生じた圧迫やずれを除くため、背上げ後に行います。

介護実践でのポイント
背上げ前には本人へ声をかけ、痛み、呼吸状態、めまいの有無、チューブ類の位置を確認します。背上げはゆっくり行い、表情や訴えを観察します。背上げ後は背抜き、衣服や寝具のしわの修正、骨盤や下肢の支持を行い、ずり下がりや苦しさがないかを本人に確認します。

選択肢の確認

1.背部の圧抜きを行う。

誤りです。
背部の圧抜きは、背上げによって生じた圧迫、皮膚のずれ、衣服のしわなどを除くため、基本的には背上げ後に行います。

2.臀部{でんぶ}をベッド中央部の曲がる部分に合わせる。

正しいです。
臀部・股関節付近をベッドの曲がる位置に合わせると、身体とベッドが自然に屈曲しやすくなり、ずり下がりや身体への圧迫を軽減できます。

3.ベッドの高さを最も低い高さにする。

誤りです。
介護を行うときは、介護者が前かがみにならず安全に操作できる高さに調整します。介護終了後は、転落時の危険や本人の移動方法を考慮した高さに戻します。

4.利用者の足がフットボードに付くまで水平移動する。

誤りです。
フットボードは身体位置を決める基準ではありません。足をフットボードに接触させると、背上げ時に足部が圧迫される危険があり、臀部とベッドの曲がる位置も合わなくなる可能性があります。

5.利用者のからだをベッドに対して斜めにする。

誤りです。
身体を斜めにすると、背上げ時に姿勢が崩れ、左右の圧力が不均等になったり、サイドレールへ接触したりする危険があります。基本的にはベッドの中央にまっすぐ整えます。

覚えるポイント

  • 背上げ前は、臀部・股関節付近をベッドの曲がる位置に合わせる。
  • 身体とベッドの屈曲位置のずれは、ずり下がり、摩擦、ずれ、圧迫の原因になる。
  • 背部の圧抜きは、基本的に背上げ後に行う。
  • ベッドの高さは、介護者と利用者の安全に合わせて調整する。
  • フットボードを身体位置の基準にしない。
  • 背上げ後は姿勢、衣服のしわ、痛み、呼吸状態、安楽を確認する。

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