36Q88|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
次のうち、嚥下機能{えんげきのう}の低下している利用者に提供するおやつとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を見る
正解: 5
正答
5.プリン
この問題のポイント
嚥下機能が低下した人には、やわらかいだけでなく、口の中でまとまりやすく、ばらけにくく、べたつきにくい食品が適しています。
選択肢の中では、均質でなめらかであり、適度なまとまりを保ちやすいプリンが最も適切です。
解説
嚥下機能が低下すると、食べ物を口の中で一つのまとまりである食塊にし、咽頭へ安全に送り込むことが難しくなります。そのため、乾燥しているもの、口の中で細かくばらけるもの、粘りが強く付着しやすいものは、誤嚥や窒息の危険を高めます。
一般的なプリンは、均質でなめらかであり、口の中でばらばらになりにくい食品です。日本摂食嚥下リハビリテーション学会の嚥下調整食分類でも、付着性、凝集性、かたさなどに配慮したゼリー・プリン・ムース状の食品が示されています。
クッキー、カステラ、もなかは、乾燥して口の中で細かくばらけやすく、唾液が少ない人では食塊を作りにくい食品です。餅は強い粘着性があり、咽頭や喉頭付近に付着して気道を塞ぐ危険があります。
ただし、「プリンであれば誰にでも安全」という意味ではありません。製品によって硬さや離水の程度が異なり、必要な食形態は利用者の咀嚼・嚥下機能、覚醒状態、姿勢などに応じて個別に決めます。
ひっかけポイント
「やわらかい食品」と「嚥下しやすい食品」は同じではありません。カステラはやわらかく、餅ものびますが、乾燥してばらける、強く付着するなど、嚥下機能が低下した人には危険な性質があります。
介護実践でのポイント
食事やおやつを提供するときは、指示された食形態を守り、安定した姿勢、一口量、食べる速さを確認します。むせ、湿った声、呼吸状態の変化、口腔内の残留、食後の発熱などがみられたら摂取を続けず、看護職員や言語聴覚士などに報告します。
選択肢の確認
1.クッキー
誤りです。
クッキーは乾燥しており、口の中で細かく砕けてばらけやすい食品です。唾液と混ぜて食塊を作る力が低下していると、咽頭へ散らばって誤嚥する危険があります。
2.カステラ
誤りです。
カステラは見た目にはやわらかいものの、水分が少なく、口の中でぱさついてまとまりにくい食品です。唾液の分泌が少ない人では、口腔内や咽頭に残留しやすくなります。
3.もなか
誤りです。
もなかの皮は乾燥して砕けやすく、口の中や咽頭に付着しやすい食品です。あんとの性状の違いもあり、均一な食塊を作りにくくなります。
4.餅
誤りです。
餅は粘着性が強く、口腔内や咽頭に付着しやすい食品です。気道を塞いで窒息する危険が高いため、嚥下機能が低下した利用者へのおやつには適しません。
5.プリン
正しいです。
一般的なプリンは均質でなめらかであり、適度にまとまってばらけにくいため、選択肢の中では最も嚥下しやすい食品です。ただし、実際には利用者の嚥下機能と製品の物性を確認します。
覚えるポイント
- 嚥下しやすい食品は、やわらかく、まとまりやすく、ばらけにくく、べたつきにくい。
- プリン、ゼリー、ムース状の食品は、物性を調整しやすい。
- クッキー、カステラ、もなかは乾燥してばらけやすい。
- 餅は粘着性が強く、窒息の危険が高い。
- 「やわらかい」という印象だけで食べやすさを判断しない。
- 食形態は嚥下評価と個別の指示に従う。